News 2002年5月1日 06:56 PM 更新

Edenで“静音PC”を自作してみました(1)

VIAが昨年12月に発表したx86互換組込みプラットフォーム「Eden」。低消費電力設計で,ファンレスで動作できるのが特徴だ。この新しいプラットフォームを検証しつつ,Edenを使った「静音PC」を作ってみた。

 VIA Technologiesが昨年12月に発表したx86互換組込みプラットフォーム「Eden」。同社の低電圧CPU,Apollo PLE133(もしくはProSavage PN133T)ノースブリッジ,VT8231サウスブリッジを採用した低消費電力設計で,ファンレスでも動作できるのが特徴だ。

 台湾の有力チップベンダーである同社は,自社ブランド製品やソリューションの販売促進のため,昨年10月に新事業部門「VIA Platform Solutions Division(VPSD)」を立ち上げた。今回のEdenは,このVPSDの戦略商品。昨年12月に発表したPentium4用マザーボード「P4XB-RA」や「P4XB-SA」で,自社ブランドのマザーボードも手掛けるようになった同社だが,CPUまでも自社製を搭載するEdenこそが,正真正銘の“自社純正マザーボード”第1弾といえるだろう。

 今回はゴールデンウェーク企画として,VPSDが4月3日に世界出荷の開始を発表したEdenプラットフォームマザーボード「EPIA-E533」を使って,ファンレスの「静音PC」を作ってみた。

小さなマザーボードに多彩なオンボード機能

 EPIA-E533は,秋葉原などで4月10日前後から販売され始めている。当初は1万5000円前後だったが,ゴールデンウェーク前の先週末あたりから1万2000円前後にまで値下がりしている。(ちなみに今回使用したマザーボードは,値下がり前に購入したもので1万4800円でした)。


EPIA-E533のパッケージ

 このマザーボードには,同社の低電圧CPUであるC3がベースの「Eden ESP」プロセッサがEBGA(Enhanced Ball Grid Array)パッケージとしてマザーボードに直付けされている。Eden ESPは,4000/5000/6000の3タイプが発表されているが,今回のEPIA-E533には動作クロックが533MHz(133MHz×4)のESP 5000が搭載されている。ファンレス仕様なので,CPUの上には少し大きめのヒートシンクが載っかっているだけだ。


EBGAパッケージのEden ESP。CPU上には,ヒートシンクのみ

 そのほかのオンボード機能としては,VGA出力機能(Trident Blade 3D),TV出力機能(S端子,コンポジット),AC97 CODECサウンド機能,10/100BASE-TX対応LAN機能,USBインタフェース(外部×2,プラス2基増設可能なオンボード端子)などを搭載。パラレルやPS/2などレガシーポートも用意されている。


EPIA-E533のI/Oパネル

 CPUまでも搭載するこのような強力なオンボード機能によって,あとはメモリ,HDD,ケース(筐体)があれば,とりあえずPCとして動かすことができる。実用面を考えるとCD-ROMドライブは必須だろうが,今回は“静音PC”ということで,とりあえず最小構成で作ってみた。

 このマザーボードで注意しなければならないのは,FDDコネクタがないことだ。OSやドライバ類のインストールなどでどうしてもFDDが必要なときは,USB接続のFDDを使うことになる。しかし,最近はドライバ類もCD添付がほとんどで,インターネットから最新ドライバをダウンロードして使うというユーザーも多いだろう。筆者自身も最近はFDDを使った記憶がない。また,CDブートに対応しているので,OSのインストールはこちらを利用すればよい。


FDDコネクタが装備されていない

 拡張スロットはPCIを1基備えるほか,Ultra ATA/100対応のIDEを2チャンネル装備する。1つしかないPCIスロットの使い方には頭を悩ませそうだ。

流行りのキューブ型アルミケースで放熱効果+オシャレなデザイン

 低電圧で発熱が少ないのがEdenの特徴だが,やはりファンレスとなると,きょう体内部の熱が心配。そこでケースは,放熱性が高い(といわれている)アルミケースを選択することにした。

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[西坂真人,ITmedia]