News：任天堂がナムコと業務提携 E3ではGameCubeのネットワーク周辺機器

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2002年5月8日　09:30 PM 更新

任天堂がナムコと業務提携 E3ではGameCubeのネットワーク周辺機器

任天堂がセガに続き，ナムコとGameCube用タイトルの共同開発で業務提携した。ナムコはGameCube向けに人気タイトルを移植するほか，「新機軸のファンタジーRPG」を投入する計画だ。

　今度はナムコとタッグだ。任天堂は5月8日，ナムコと共同で「GameCube」向けにシューティングアドベンチャーゲーム「スターフォックス（仮称）」の最新版を開発し，2003年4月に発売すると発表した。任天堂は3月，GameCube用にセガと「F-ZERO GC（仮称）」を共同開発するなど，GameCube用タイトルの開発に関して，サードパーティとの協力関係を強めている。

　任天堂が，セガ，ナムコとGameCube用タイトルの共同開発に取り組むのは，この3社が共同で次世代業務用グラフィックボード「トライフォース」を開発しているから。トライフォースは，GameCubeとアーキテクチャが共通化されており，専用周辺機器「メモリーカード59」を介してアーケード機と家庭用ゲーム機を連動させる新しい遊び方を提案するもの。ナムコと共同開発するスターフォックスも，トライフォースへの展開を視野に入れている。

　GameCube用人気タイトルを手掛ける情報開発本部長の宮本茂氏は，こうした動きについて，「内部で制作できるタイトルの数には限りがある。単純にプロデューサーを増やせばいいというものでもない。最も重要なのはゲームの品質を保つこと。今後も，サードパーティと積極的にコラボレーションを図っていきたい」と意欲的な姿勢を見せている。

　「サードパーティと任天堂が，単なるライセンシーとライセンサーという関係ではなく，より良いゲームを開発するために密接な関係を構築できたらいいと思う。ビジネスはその後に付いてくるものだ」（宮本氏）。

　なお，宮本氏によれば，スターフォックスの開発はナムコのシューティングゲーム「エースコンバット」の開発チームと共同で行われるほか，スターフォックス以外にも共同開発を計画しているタイトルがあるという。

　また，今回の業務提携の一環として，ナムコはGameCube向けに既存タイトルを移植する。既に，2001年夏頃から作業に着手しており，パズルアクションゲーム「新ミスタードリラー（タイトル未定）」（2002年11月発売予定），武器格闘ゲーム「ソウルキャリバー2（仮称）」（2003年1月発売予定）を順次発売する。

　加えて，GameCube用オリジナルタイトルとして2003年12月に「新機軸のファンタジーRPG」（ナムコ）を発売する予定で，GameCube向けには2003年末までに6作品が登場することになる。ゲームボーイアドバンス向けには2002年末までに，「ファミスタアドバンス」など8作品を投入する計画だ。

　なお，ナムコでは2002年10月以降に発売するGameCube用タイトルについて，販売を任天堂に依託するという。「（GameCubeタイトルは）任天堂の流通ルートが最適と判断した。任天堂の販売力があれば，（自社でやるよりも）1.5倍は売れるのではないだろうか」（ナムコCTカンパニープレジデントの原口洋一氏）。

　また，会見に姿を見せなかった任天堂の山内溥社長，ならびに中村雅哉会長の両トップは，「再びタッグを組むことで，業界を活性化させたい」との共同声明を寄せた。

E3でネットワーク用周辺機器

　サードパーティとの積極的なコラボレーションにより，GameCubeの付加価値を高めようとする任天堂だが，今後の動向としてはネットワーク戦略も気になるところである。

　米国ロサンゼルスで5月21日に開幕するゲーム業界カンファレンスの「E3」（Electronic Entertainment Expo）では何らかの発表があると見られているが（昨日の記事参照），任天堂業務本部長の波多野信治氏は会見後，「E3でネットワークサービス用の周辺機器について話す」ことを明らかにした。

　また，今回のナムコとの提携内容にはオンラインゲームの開発については触れられていないが，「ネットワークサービスについて，ソフトメーカー各社と話をしているのは事実」と認めた。

　「（他社に比べてネットワーク戦略の発表が遅れたが）任天堂が，ネットワークゲームの可能性を否定するつもりは全くない。ただ，ネットワーク経由でゲームを提供するとしたら，どのような形がベストなのかを明確にしなければならない。通信費込みで月額4000円なのか5000円なのか，どの程度ならユーザーに喜んでもらえるのかが，まだ見えない。プレイステーション2のファイナルファンタジーIXの料金では，高すぎてコアユーザーしかついてこれないだろう」（同氏）。

[中村琢磨，ITmedia]

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