News 2002年5月28日 10:07 PM 更新

2002年の半導体市場、日本は2年連続のマイナス成長

電子情報技術産業協会が半導体市場の統計機関「WSTS」の予測結果を発表した。それによると、2002年の世界半導体市場は前年比2.3%増になると予測しているが、日本では前年比7.0%減と2年連続のマイナス成長になる

 電子情報技術産業協会(JEITA)は5月28日、半導体市場の統計機関である「WSTS(World Semiconductor Trade Statistics)」の予測結果を発表した。それによると、2002年の世界半導体市場は、前年比2.3%増の1422億ドル(18兆8000億円)になると予測している。

 2000年は、前年比36.8%増となる約2044億ドルと大きく成長した世界の半導体市場だが、2001年は一転して前年比32.0%減の約1389億ドルと過去最悪を記録した。しかしWSTSの予測では、2002年は半導体不況が底を打ち、回復に転ずるとみている。

 WSTS日本協議会の戸所義博会長は、底打ちとみる背景について「昨年の36.8%減というのが悪すぎた。PCや携帯電話など従来大きなウェイトを占めていた電子機器がマイナス成長だったことが2001年の落ち込みの原因。2002年はこれら電子機器が回復してくるとの予測から、半導体市場も回復してくるとみた」と語る。    「今回、2002年の予測が2.3%と微増なのは、第1四半期(2002年1〜3月)が思ったほど伸びなかったことがある。会計年度(2002年4月〜2003年3月)では、対前年同期比17.6%増と高い成長率を予測している。世界の半導体市場は、着実に回復に向かっている」(戸所氏)。

 このように回復基調にある世界半導体市場だが、日本はどうだろうか。

 かつては半導体立国とまでいわれた日本の半導体市場は、2001年が前年比20.4%減の約4兆円で推移した。WSTSの予測では、2002年も前年比7.0%減の約3兆7000億円と、2年連続のマイナス成長になるとみている。

 さらに、WSTSでは2005年までの市場予測をしているが、それによると、日本では2003年に前年比17.6%増とプラスに転じるものの、世界市場の数値(前年比21.7%増)からみると伸び率は小さく、さらに2004年は前年比11.6%増、2005年は前年比2.4%増と成長率が下降していく点も見逃せない。

 長期的にみても小幅な成長率にとどまると予測されている日本とは対照的に、大きく成長するとみられているのが、アジア・パシフィック市場だ。2001年は前年比22.3%減の約398億ドルだったものの、2002年は前年比25.7%増の約500億ドルとなり、その後も2003年は前年比25.2%増、2004年は前年比17.4%増と、いずれもエリア別(米州、欧州、日本、アジア・パシフィック)でトップの成長率が予測されている。

関連リンク
▼ 電子情報技術産業協会(JEITA)
▼ WSTS(World Semiconductor Trade Statistics)

[西坂真人, ITmedia]

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