News | 2002年6月20日 08:03 PM 更新 |
松下電器産業は6月20日、プラズマテレビ「プラズマT(タウ)」の新製品を発表した。BS/110度CSデジタル42V型ハイビジョンプラズマTV「TH-42PX10」(95万円)とBS/110度CSデジタル37V型プラズマTV「TH-37PD10」(75万円)、42V型プログレッシブプラズマTV「TH-42PAS10」(68万円)と37V型「TH-37PAS10」(55万円)の4機種。7月1日から順次発売する。
新製品の特徴は、ボディサイズの薄型・小型化だ。ディスプレイユニットにBS/110度CSデジタル/地上波チューナーを内蔵したTH-42PX10とTH-37PD10では、チューナー基板やデジタル信号回路の小型化、熱対策機構の見直しなどによって、3つのチューナーが一体となった製品としては業界最薄となる99ミリの奥行きを実現した。同社のチューナー別体タイプでの最薄が89ミリなので、計算上は約10ミリの幅にチューナーを収めたことになる。
また、チューナー別体タイプのTH-42PAS10とTH-37PAS10は、280(幅)×276(奥行き)×52(高さ)ミリという業界最小のチューナーユニットを採用。従来製品の約30%(体積比)というコンパクトボディで、設置性が大幅に向上した。
置くだけで部屋が“リゾート”になるようなデザイン
ボディは、柔らかな曲面とPDPのフラットパネルを融合した「エアロシルエット」デザインによって、新製品の特徴である薄さをより強調している。今年4月に分社化してできたパナソニックデザイン社が新製品のデザインにあたった。
同社デザイングループマネージャーの水間健介氏は、「インテリアの1つとして、プラズマTVを置くだけで部屋が“リゾート”になるような空気感をデザインで表現した。PDPというデバイスを単に箱状に収めるのではなく、おおらかなラインで構成されたボディでPDPを包み込むことで、軽やかさを演出している。デジタルタウが醸し出すリゾートの空気を感じながら、BS/CSデジタル放送の美しい映像を堪能して欲しい」と、新製品のデザインコンセプトについて語った。
エアロシルエットデザインを生かすために、専用台、スイーベル(首振り)機構付き据え置きスタンド、バイプスタンド、ローボードなど、本体と一体化したデザインの別売りオプションを数多く用意。設置スペースや用途に応じたさまざまな設置方法が選べる。
今回の新製品には、高画質映像を表現するためのさまざまな新技術も盛り込まれている。
同社は5月24日に発表した50V/42V型のハイビジョンプラズマTVで、業界初の1024階調を可能にした「プラズマリアリティ」技術を搭載している。これは、ハイコントラスト技術「リアルブラック駆動方式」、高輝度化技術「プラズマAI」、シーンに応じて最適な階調数とサブフィールドを制御する「リアルガンマ」という3つの同社独自技術を組み合わせることによって、表現力豊かな高画質映像を作り出すもの。今回の新製品4機種にも、この新技術が搭載されている。
「美しい映像表現に必要なのは、明るさ/黒再現/精細感/階調性の4要素。特にダイナミックレンジが重要となる。新製品ではプラズマリアリティによって、1024階調を実現した。高輝度・ハイコントラスト・高階調の映像が楽しめる」(同社)。
チューナー一体型のTH-42PX10とTH-37PD10には、BS/110度CSデジタル/地上波と全てのチューナーに対応したEPG(電子番組表)を搭載。受信できる全ての放送の視聴・録画予約やジャンル検索などが、EPGを使って行える。「3チューナー全てに対応したEPGの搭載は業界初」(同社)。
部屋が“リゾート”になるようなデザインが特徴となる新製品のお披露目は、ファッションショー形式で実施。冒頭にはリゾートをイメージした水着モデルも登場するなど、終始華やかな雰囲気で発表が行われた。
「今年度は、AV市場で2つの大きな変化が訪れる。1つは録画文化がテープ(VHS)からディスク(記録型DVD)への移行。そしてもう1つがTVの大型化・薄型化だ。このTVの変化に対応できるプラズマTVは、松下の業績のV字回復に向けて最も重要なカテゴリの1つ。AV市場の再活性化のためにも、積極的に展開していきたい」(同社のパナソニックマーケティング本部副本部長の牛丸俊三氏)。
主な仕様は以下の通り。
製品名 | TH-42PX10 | TH-37PD10 |
画面サイズ | 42V型 | 37V型 |
アスペクト比 | 16:9 | |
対角サイズ | 1056ミリ | 939ミリ |
画素数 | 1024×768ピクセル(プログレッシブ:約78万画素) | 852×480ピクセル(プログレッシブ:約41万画素) |
表示色数 | 1677万色 | |
コントラスト比 | 3000:1 | |
視野角 | 160度 | |
インタフェース | IEEE1394×2、D4×2、S入力×3、ビデオ入力×3、アナログRGB(D-Sub15ピン)×1、S出力×1、ビデオ出力×1 | |
スロット | SDメモリーカードスロット×1、B-CASカードスロット×1 | |
サイズ | 1170(幅)×99(奥行き)×658(高さ)ミリ | 1070(幅)×99(奥行き)×596(高さ)ミリ |
重さ | 37.5キロ | 31.5キロ |
価格 | 95万円 | 75万円 |
発売日 | 7月10日 | 8月10日 |
製品名 | TH-42PAS10 | TH-37PAS10 |
画面サイズ | 42V型 | 37V型 |
アスペクト比 | 16:9 | |
対角サイズ | 1056ミリ | 939ミリ |
画素数 | 852×480ピクセル(プログレッシブ:約41画素) | |
表示色数 | 1677万色 | |
コントラスト比 | 3000:1 | |
視野角 | 160度 | |
インタフェース | D4×2、S入力×3、ビデオ入力×3、アナログRGB(D-Sub15ピン)×1、S出力×1、ビデオ出力×1 | |
サイズ | 1020(幅)×89(奥行き)×610(高さ)ミリ | 920(幅)×89(奥行き)×550(高さ)ミリ |
重さ | 28.5キロ | 24.5キロ |
価格 | 68万円 | 55万円 |
発売日 | 7月1日 | 7月20日 |
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[西坂真人, ITmedia]
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