News:ニュース速報 2002年6月24日 03:35 PM 更新

シャープ、Linux搭載Zaurusを発表 PCとの連携を重視

OSにLinuxを採用した「Zaurus」新製品が登場した。世界最小最軽量のコンパクトさを実現し、PCの連携を重視したデータビューワとしての機能が充実している。

 シャープは6月24日、PDA「Zaurus」の新製品として、OSにLinuxを採用した「SL-A300」を発表した。320×240ピクセル表示のカラー液晶ディスプレイ搭載PDAとしては世界最小・最軽量を実現。PCとの連携を重視し、データビューワ機能を充実させることで既存のZaurusとは異なるビジネスマン向けモデルとした。7月12日発売、オープン価格(実売予想価格は5万円前後)。


Zaurus「SL-A300」

 採用したLinuxは、米Lineoが開発した組み込み機器向けの「Embedix」。GUIにQtを採用した。Java実行環境(Jeode)も備える。CPUにインテルのXscale PXA210/200MHzを採用した。フロントライト付き3.5型カラーTFT液晶ディスプレイを搭載し、320×240ピクセル(QVGA)、6万5536色表示が可能だ。

 メモリは64MバイトSDRAMを内蔵。SDメモリーカードスロットも備える。Zaurus「MI」シリーズと通信できる赤外線通信ポートも装備した。コンパクトフラッシュ型通信カードなどを装着できる「コミュニケーションアダプター」を7月下旬に発売する予定。

 電源はリチウムイオン充電池を採用し、連続約12時間の駆動が可能としている。サイズは約69.4(幅)×113(奥行き)×12.5(厚さ)ミリ、重さ約138グラム(液晶保護カバー/タッチペンあり)。


クレードルはオプション。ノートPCなどと常に一緒に持ち運べるよう、付属インタフェースはケーブル型アダプタになっている

 PC(Windowsのみ)とはUSBで接続。クレードルはあえてオプションとし、付属インタフェースは持ち運びやすいケーブル型を採用した。PCの画面を1キーでキャプチャ/転送して閲覧できる「ザウルスショット機能」、PCのファイルをドラッグ&ドロップで転送/保存できる「ザウルスドライブ機能」(Sambaを利用)、OutlookのPIMデータやメールをまるごと持ち出せる機能など、PCと連携した機能を充実させた。またオフィスソフト「Hancom Office」がバンドルされている。

 シャープはLinuxを採用したZaurusを今年、米国で既に発売している。Linuxを採用した理由について、「ネットワークとの親和性を考えると、OSとしてLinuxは最適」としている。OSはフラッシュメモリに格納し、アップデートも可能な仕様になっている。アプリケーションのソースコードは公開するほか、ハードウェア仕様も公開する方向で検討するという。既存のZaurusはモバイルエンターテイメントにフォーカスした別ラインとして残す。

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