News | 2002年6月25日 07:55 PM 更新 |
一部のモバイルユーザーに圧倒的な支持を受けたNECのCrusoe搭載「LaVie MX」。透過型および微透過型液晶パネルとリチウムポリマーバッテリを採用、正味で10時間使えるバッテリライフが魅力のモデルだった。だが同製品はすでに生産が終わっており、その後継機では微透過液晶パネルの採用が見送られた。NEC以外のPCベンダーも含め、微透過液晶パネル採用機は今後も予定されていない。
この微透過液晶パネルとは、基本的に反射型液晶パネルながら、反射パネルが30%程度の透過率を持っており、スイッチの切り替えでバックライトの利用も可能にした液晶パネル。明るいところでの視認性と暗所での視認性を両立した省電力の液晶パネルとして、バッテリ駆動を重視するユーザーに重用された。
NECがMobileFocusで発表した「Versa E120 DayLight」は、LaVie MXに採用されていた東芝製の10.4インチXGA微透過液晶パネルを、LaVie Jと同じB5ファイルサイズの筐体に納めた製品。低電圧版モバイルPentium III-M/800MHzや底面に取り付け可能な薄型のセカンドバッテリ、3つのUSBポート、IEEE1394ポート、PCカードスロットとコンパクトフラッシュTYPE IIスロット、20Gバイトハードディスクなどを装備する。なお、資料によると内蔵USBが2.0対応とは記されていない。また無線LAN内蔵モデルも用意されていないようだ。気になるバッテリ持続時間も、正式な数値は発表されていない。
NECによれば、米国では特に屋外でPCを使用しなければならないユーザー向けに、反射型液晶モデルのニーズが一定数存在しており、LaVie MXの生産終了に伴って既存モデルに微透過液晶パネルを採用した機種が望まれていたのだそうだ。米国での価格は2199ドルだが、国内での販売に関しては不明とのこと。
もう1つの気になった製品はGyrationのジャイロスコープと光学センサーを併用したマウスだ。ジャイロスコープを用いたマウスは従来からあり、マウス自身の慣性を検出してマウスカーソルを動作させる。自由なリラックスした姿勢で手首のスナップだけで操作できる点は、なかなか新鮮な驚きがあったのを覚えている。
しかし、リラックスした姿勢で手軽に使うにはいいが、机の上でPCに向かって仕事をするときには使いやすいと言えず、テクノロジートイの世界で終わっていた感がある。技術的におもしろく、新鮮な驚きはあるが、用途範囲が狭く実用性に乏しかったのだ。
しかしGyrationの新製品「ULTRA Cordless Optical Mouse」は、ジャイロスコープマウスの機能と通常の光学センサー式マウスの機能を同時に組み込むことで、そうした批判をうまくかわしている。下部のセンサーで机上で使っていると判断されている時は通常のマウスとして機能し、手で持ち上げるとジャイロスコープマウスとして動作する。もちろん、コードレスで、アクセスポイントユニットはUSBでPCと接続する。
価格もジャイロスコープ内蔵というイメージから想像するよりは安価で、72ドル程度になる予定。テンキーレスのコンパクトなコードレスキーボードとセットになったモデル(99ドル程度)も用意される。8月末までには製品が米国で出荷される見込み。なお、日本での発売はディストリビュータなどもなく特に決まっていないとか。もっとも、発売されたらすぐにでも秋葉原の店頭に並びそうな製品ではある。
[本田雅一, ITmedia]
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.