News 2002年6月25日 06:45 PM 更新

富士通、Tablet PC試作機を公開

富士通はTechXNYに先立って開催されたプレス向けイベントで、Tablet PC「Stylistic ST4000」の試作機を公開した

 米国時間6月25日より、米国ニューヨークのジャコブジャビッツセンターにてテクノロジ製品の総合展示会TechXNYが開催される。それに先立ち、24日夕刻に行われたプレス向けイベントMobileFocusでは、いくつかのTablet PCが展示されたが、中でも完成度の高さを見せたのが富士通の「Stylistic ST4000(米国名)」だ。


富士通の「Stylistic ST4000」

 ST4000は超低電圧版モバイルPentium III-Mと802.11b内蔵無線LANインタフェース、10.4インチタブレット付き液晶パネルを搭載し、重さは3ポンド。プロセッサのクロック周波数などは最終製品時に決定される。最終仕様やバッテリ持続時間などについては、正式アナウンス時に話すとのことで明言を避けていた。

 ただし、Tablet PC本体やクレイドルとなるスタンドなどの造形や機能は非常に高い完成度を持っている。表示スクリーンは縦横にワンボタンで切り替えることが可能で、本体をセットするスタンドも90度回転させることができる。

 スタンドにはCD-R/RWドライブやUSBなど各種I/Oコネクタなどが装備されており、セットで販売されるワイヤレスキーボードと組み合わせ、デスクトップPCとしても、Tablet PCとしても使いやすいように作られていた。製品の展示はTechXNYでも行われる。


クレイドルに装着した状態


クレイドルは90度回転させることもできる

 Tablet PCにはOffice XPを手書き対応にするアドオンパックや、メモ用紙に書き込んだ内容を管理するジャーナルなどのソフトが付属するが、サードパーティによる対応ソフトも今後増えてくるだろう。

 同じくMobileFocusに展示されていたFranklinCoveyの「1Planner」は、TabletPC向けに開発されたプランニングソフトだ。様々な情報、アイディアを集約的に1カ所で管理し、定型フォームの設計によって日常業務から決まった形で情報を綴じ込むことができる。いわばPCベースのシステム手帳のようなものだ。

 システム手帳と異なるのは、ハードディスク容量がある限り、ほぼ無限に様々な種類の電子テータを綴じ込んでいけること。PDFや各種画像ファイルなどを取り込み、綴じ込んで管理することもできる。綴じ込んだ文書に対して、赤線や蛍光ペンなどで構成などをゆっくり手書きで作業できる。

 懐疑的な意見も多いTabletPCだが、こうしたアプリケーションソフトウェアが期待通りに有用なものへと成長してくれれば、そしてハードウェアの性能がエンドユーザーの求めるレベルに達するならば、企業ユーザーの心をとらえるかもしれない。

 しかし、最終的にはさらに開発環境が整備され、各業務ごとのバーティカルなTabletPC対応アプリケーションが必要になるだろう。完全なWindows互換ハードウェアであるTabletPCは、そのままでも多くのWindows用アプリケーションを利用可能だ。

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