News | 2002年6月26日 10:29 PM 更新 |
PocketPC 2002の携帯電話向けバージョン「PocketPC 2002 Phone Edition」を採用した端末が、VocieStreamから発売される。米ニューヨークで開催中のTechXNYにおいて、Microsoftが明らかにした。この端末はGPRSネットワークのT-Mobileに対応しており、通常の通話以外に最大56Kbpsのデータ通信をサポートしている。
データ通信の料金プランは月19.99ドルがもっとも安価なパターンで、5Mバイトまでの通信料が含まれる。5Mバイトを超える分については1Mバイトごと5ドルの追加料金。ほかに39.99ドル、59.99ドルのプランがあり、それぞれ10Mバイトと20Mバイトまでのデータ通信料が含まれている。また、39.99ドル以上のプランは1Mバイトあたりの追加料金が4ドルに減額される。
端末そのもののユーザーインターフェイスや見た目は、PocketPC 2002そのものと言っていいかもしれない。当然ながらPCとの親和性は高く、通常のPocketPCと同じようにPCとデータの同期を行ったり、PocketPC向けに開発されたカスタムのアプリケーションをインストールして利用できる。今回披露された端末は32MバイトRAMと206MHzのStrongARMプロセッサ、SDスロットなどを内蔵しており、機能的に通常のPocketPCに劣る部分は見受けられなかった。重さは6.8オンス。
TechXNY基調講演の中で行われたデモによると、Phone EditionではこれらPocketPC 2002の基本機能に加え、携帯電話を通じてデータのシンクロナイズを行う機能が提供されているようだ。また電子メールやWindows Messengerのメッセージは、受信した時点でポップアップウィンドウやサウンドを通じて知らせてくれる。
いわゆる携帯電話への組み込み向けバージョンではなく、名前からもわかるとおりPocketPC 2002の携帯電話版なのである。だから操作性もスタイラスを用いたPDAと全く同じ。携帯電話“にもなる”PDAと言うのが正しい。
このキカイを電話として本格的に利用することの是非を問う議論もありそうだが、PDAがワイヤレスネットワークに参加するとこんなこともできる、というリファレンスとしておもしろい製品ではあると思う。ワイヤレスネットワークに常時接続した状態で使うことを前提に、各種のアプリケーションが組まれており、またそれを意識したアプリケーションが今後登場するかもしれないからだ。
本機に搭載されているWindows Messengerは通常のPocketPC 2002と同じものだったが、やはりネットワークへの接続状態を意識せずに利用できるのは便利だ。TechXNYの展示会場では、大々的にこの製品をデモンストレーションしており、実際に電話としても利用できた。
様々なシチュエーションの画面を撮影したので、最後にそれらを一気に紹介しておこう。
[本田雅一, ITmedia]
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