News 2002年7月2日 00:27 AM 更新

NEC本社ビル隣、ブロードバン対応の「セレスティンホテル」が7日オープン

東京・芝に「セレスティンホテル」がオープンする。インターネット接続はNTT東の「Bフレッツ」。構内LANはギガビットイーサネットというブロードバンド対応ホテルだ

 7月7日、東京・芝に「セレスティンホテル」がオープンする。NTT東日本の最大100Mbpsの光アクセスサービス「Bフレッツ」を引き込み、ギガビットイーサネットで構内LANを構築。各部屋で高速インターネットを利用することが可能なブロードバンド対応ホテルだ。また、VOD(Video On Demand)サービスも充実させた。

 最近、「品川プリンスホテル エグゼクティブタワー」が登場した品川エリアがが、ビジネスとエンターテインメントの融合で注目を集めているが、セレスティンホテルも「芝・三田エリアは、幕末の歴史が各所に刻まれている地として知られる。このホテルは、旧薩摩藩屋敷跡という由緒ある場所に立地し、都会の喧噪とは一線を画したほどよい落着きがある」(同ホテル)と負けていない。セレスティンホテルは17階建て。1〜13階はオフィスフロア、14〜17階が客室となっている(部屋数は全243室)。雰囲気は、高級なビジネスホテルといったところだ。宿泊料金は、シングルが1万8000円〜、ダブルが2万5000円〜となっている。




14階の「セレスティン・ラウンジ」は24時間オープンのリラクゼーションスペース。ここでは、NTT東日本のホットスポットサービス「Mフレッツ」も利用可能になる予定。喫煙は、四季折々の植栽に彩られた「セレスティン・ガーデン」で(上)。全ての部屋にセットトップボックス(STB)「DSL400」(英PACE製)が設置される(中)。セレスティンホテル15階の客間から麻布方面を望む(下)。セレスティンホテルはNEC本社ビルのすぐ横

 セレスティンホテルのITサービスの特徴は、メニューが豊富なVODサービス。ホテル内のマシンルームにコンテンツ配信用のサーバを設置。イマジカ子会社の東洋コミュニケーションズからライセンスを受け、常時、MPEG-2形式のハリウッド映画を20本以上用意する。100ユーザーまで同時アクセスすることが可能だという。さらに、「e-コンシェルジェ」サービスとして、レストランやロビーのもようをライブカメラで中継。各部屋に設置されているセットトップボックス(STB)でレストランの空き状況を確認できるようにする。

 今回、セレスティンホテルにVODシステムを導入したエム・ピー・テクノロジーズ(MPT)の吉本万寿夫社長は、「ブロードバンド対応はこれからのホテルに必須のサービスではあるが、ただちに利益を生むわけではない。だが、少なくとも(もうかる)可能性はあると思う」と話す。例えば、コンテンツ料金の徴収はその一環で、映画のオンデマンド配信の料金を1本当たり1500円に設定するなど、付加価値の高い有料で配信することが挙げられる。ただし、「アダルトはない(笑)」(吉本社長)。

 MPTは、VODシステムなどを提供するブロードバンドソリューションプロバイダー。セレスティンホテルのVODサービスには、ハードウェアからコンテンツ配信用ミドルウェア「MediaBase」までをパッケージ化した同社のホテル向けデジタルVODシステム「ブロメディア・システム」を使用している。

 また、MPTは、今年5月に日本アイ・ビー・エム(IBM)とブロードバンド・コンテンツ配信システムの販売に関して協業することで合意。今回のVODシステムには、Linux搭載IAサーバ「IBM eServer Xseries 330」を採用した。




VODを利用した「e-コンシェルジェ」サービス(上、中)。今のところ、動画コンテンツは「制作中」とのことだったが、「順次開始していく」(MPT)。客室からコンテンツ配信サーバに要求が来た段階で、課金情報が課金管理サーバに投げられる。部屋番号で管理されているので、認証などは行われない。STBはリモコンで操作(下)

 「今回は、ホテルにVODのシステムを導入したが、このシステムは何もホテルに限定しているわけではない。教育機関やCD販売店など、VODを必要としているユーザーはたくさんいる。セレスティンホテルのシステムをひな型にして、事業を拡大していく計画だ」(吉本社長)。

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[中村琢磨, ITmedia]

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