News:ニュース速報 2002年7月8日 06:01 PM 更新

富士通研、ナノチューブをLSI配線に応用する新技術


 富士通研究所は7月8日、カーボンナノチューブをLSIの配線に応用できる新技術を開発したと発表した。実用化すれば、配線の低抵抗化や微細化が期待できる。


シリサイド層からの多層カーボンナノチューブ垂直配向成長

 開発したのは、MOSFETの電極となるシリサイド層(シリコンと金属が結合した層)上に、多層カーボンナノチューブを垂直成長させる技術と、チューブの直径を制御する技術。

 メタンと水素の混合ガスを利用する「プラズマ化学気相成長法」を利用して、基板に垂直な電界と同じ方向にチューブを成長させる。与える電界の向きによって、チューブの成長方向を制御できる。

 またシリサイド層の組成を工夫することで、チューブの直径を約半分にできる直径制御技術も開発した。

 従来の生成法であるレーザー蒸着法やアーク放電法などでは、基板上の特定の位置にチューブを配置したり、成長方向や直径を制御することが難しかった。新技術は既存の半導体製造プロセスとの適合性も高く、応用の可能性も広がるとしている。


ホール内への多層カーボンナノチューブ埋め込み垂直配向成長技術

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