News 2002年7月11日 11:11 PM 更新

リストラ、転職……悩み相談も情報収集もオンラインで

リストラの不安や退職後の人生設計はオンラインで相談。転職の情報収集も専門サイトで行う。それが、これからのスタイルのようだ

 特定非営利活動(NPO)法人日本オンラインカウンセリング協会(Japan Online Counseling Association)は7月11日、2002年6月期の統計調査を発表した。それによると、オンラインで寄せられた相談内容のうち、リストラや就転職の不安に関するものが全体の34%を占めたという。同協会は、オンラインカウンセリングのほか、研究者や学生に対し、カウンセリングにおけるITの有効活用方法の提案などを行っている。

 日本オンラインカウンセリング協会では、2000年にオンラインの無料相談室をWebサイト上に開設。人間関係や育児、家庭など、幅広く相談を受け付けているが、「「失業率の増加や雇用のミスマッチといった背景から、退職後の人生設計などメンタル面の不安を訴える相談が目立つようになった」(同協会)。

 2002年版『労働経済の分析』の中で失業率の上昇を指摘している厚生労働省では、対策としてキャリアカウンセラーを年内に1万人増員する計画を打ち出している。だが、同協会では「日本ではまだまだ日常生活においてカウンセリングを気軽に利用するという習慣が根付いておらず、一般の人にとって敷居が高い感じがある」と指摘。そうした中で、電子メールなどを利用したオンラインカウンセリングでは、「顔を合わせずにすむ安心感がある」と強調する。

転職サイトが転職情報誌を上回る人気

 また、バカボンドは11日、転職活動におけるオンラインの転職サイトの利用率がアップしているとの調査結果を報告した。

 それによると、転職活動中に行ったこととしては、「転職サイトへ登録」(66%)が「転職情報誌を購入」(65.5%)をわずかながら上回った。バカボンドによれば、これは、調査を開始してから初めてのことだという。また、今後の転職活動の方法に関しては、「転職サイトへ登録」(63.2%)が「転職情報誌を購入」(52.1%)を大きく引き離した。

 転職サイトを利用する理由としては、「求人件数の多さ」(77.1%)、「情報の探しやすさ」(76.3%)、「情報が詳しい」(61%)などが挙げられている。

 新鮮な求人情報が収集できるオンラインサービスは、転職活動をしている人にとっては、重宝するツールだ。だが、手軽だからといって、仕事中に会社のPCで転職サイトにアクセスしたり、会社のメールで転職先の人事とやり取りするのはお勧めできない。誰が見ているか分からないのだから……。

関連リンク
▼ 日本オンラインカウンセリング協会
▼ バカボンド

[中村琢磨, ITmedia]

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