News 2002年7月18日 09:28 PM 更新

バーテックス、PC-DIY向け新ブランド「Mercurio(メルキュリオ)」発表

バーテックスリンクが台湾の部品メーカーHon-Haiグループと手を組み、組み立てPC用パーツの日本市場向けブランド「Mercurio(メルキュリオ)」を日本市場で立ち上げる

 バーテックスリンクは7月18日、台湾のHon-Hai(鴻海精密工業)グループと提携、組み立てPC用パーツの日本市場向けブランド「Mercurio(メルキュリオ)」を立ち上げると発表した。同ブランドの第1弾として、マザーボード2製品、グラフィックカード5製品を同日から販売する。なお、PCケースも用意されているが、こちらは8月中旬頃発売の予定で価格は未定だ。

 製品と店頭予想価格は以下の通り。

製品特徴店頭予想価格
マザーボード「F845E」Intel845E搭載1万4000円前後
マザーボード「F845G」Intel845G搭載1万5000円前後
グラフィックカード「R200 64MB TDV-S」RADEON8500LE搭載1万8000円前後
グラフィックカード「R200 64MB TDV-D」RADEON8500LE搭載1万9000円前後
グラフィックカード「R200 128MB TDV-D」RADEON8500LE搭載2万2000円前後
グラフィックカード「XABRE 400 64MB TD」Xabre400搭載1万3000円前後
グラフィックカード「XABRE 400 128MB TD」Xabre400搭載1万6000円前後


Mercurioブランド第1弾は、マザーボードとグラフィックカード

 Hon-Haiグループ――日本ではあまり馴染みのない名前だが、実は世界中のセットメーカー向けにPC関連製品をOEM供給する“縁の下の力持ち”的存在としては最大手クラスの存在だ。

 バーテックスリンク社長の由利良和氏はHon-Haiグループについて、「もともとコネクタのナンバー1企業で、コネクタの世界シェアは70%。近年は事業を拡大し、マザーボードやハウジング、パワーサプライ、周辺機器など、製品バリエーションも広がっている。最近ではゲーム機メーカーやPCメーカーへのOEMを毎月数10万台単位で行うなど、実績でも台湾PC関連メーカーの中でナンバー1に成長している」と紹介する。

 Hon-Haiは自社ブランドでの販売展開は行わず、ディストリビューション事業をパートナー企業のKobianにまかせている。Kobian経由で提供されるHon-HaiのPC関連製品は、欧米市場では「Mercury」ブランドで展開していた。「この製品群を日本で立ち上げるにあたり、ブランド名をイタリア語の“Mercurio”とした」(由利氏)。

 日本では、アジア地区のディストリビューターであるKobianとバーテックスリンクが手を組み、市場展開を行う。すでに多くの台湾メーカーと提携を行い、PC関連製品を日本市場に投入してきたバーテックスだが、Hon-Haiグループとの提携について由利氏は「PC-DIY市場が、従来のマニア向けだけから、初心者やSIベンダー向けまで柔軟な対応が必要となっている。OEM大手との提携で、コスト低減や商品ラインの柔軟性を手に入れたかった」と語る。同社ではMercurioブランドでの販売目標として、今年度4億円、2003年度は10億円、2004年度には15億〜18億円を見込んでいる。

 「当面はマザーボードやグラフィックボード、PCケース、電源ユニットといったPCパーツが中心となるが、Hon-Haiの製品ラインアップには、WebPadや液晶モニタ、デジカメなどもある。将来的には、これらもMercurioブランドとして展開していきたい」(同社)。


Hon-Haiの製品ラインアップには、WebPadや液晶モニタ、デジカメなども

 ただ、いくらOEMでの実績があるとはいえ、日本国内のPC-DIY市場では新参。製品によほどの特徴がない限り、成功するのは難しい。しかし、今回発表されたマザーボードやグラフィックボードは、いずれも良く言えば“基本に忠実”な仕様、悪く言えば“特徴がなく、アピールする力に欠けて”いるものだった。この点について同社では「OEMで数多く採用されているHon-Haiの製品は、これまでスタンダードさを求められてきた。確かにマニア中心だったこれまでのPC-DIY市場は特徴のある製品が好まれていたが、最近の傾向として、安定して簡単に使えるという製品を求めるユーザーが増えている。今回のMercurioは、こういったユーザーにまずアピールしていきたい。またリテールだけでなく、SIベンダー向けや組み込み市場にも積極的に力を入れていきたい」と話している。

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[西坂真人, ITmedia]

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