News:ニュース速報 | 2002年7月29日 02:05 PM 更新 |
富士通研究所は7月29日、量子コンピュータの基本素子である量子ドットのサイズと配列を制御できる技術を世界で初めて開発したと発表した。同研究所は「1台でPC数10億台分の処理が期待される量子コンピュータの実現に大きく貢献する」としている。
量子コンピュータを実現するには、100ナノメートル以下の量子ドットを作製する必要があるが、従来の方法では配置やサイズを精密に制御することができなかった。
同研究所は今回、原子間力顕微鏡(AFM)を使った局所酸化とMBE選択成長技術を組み合わせた量子ドット作製方法を開発。AFMのカンチレバーに加えるパルス電圧と時間幅を変化させることで、量子ドットを設計通りのサイズとレイアウトで基板上に配列させることができた。
また新技術を利用すれば、直径が最小20ナノメートルの量子ドットを作製できるほか、サイズの違うドットを同時に作製することも可能という。
同研究所は今回の新技術によって、同研究所が提案する「全光学量子コンピュータ」に必要な量子ドット配列の作製が可能になったとし、量子コンピュータの動作実証を進めていくとしている。
今回の研究の詳細は、同日から英エジンバラで開かれる第26回半導体物理国際学会で発表される。
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[ITmedia]
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