News 2002年7月30日 08:29 PM 更新

“ZIPのアイオメガ”、NAS製品を投入

アイオメガが、米国で展開中のNAS製品を国内投入する。同社では「NASは大きな伸びが見込める市場」と期待を寄せており、企業向け製品発売に合わせ、販売チャネルなどの見直しにも取り組む計画だ

 アイオメガは、8月上旬より国内でもNAS(Network Attached Storage)製品「Iomega NAS A300/P400」シリーズの販売を開始する。1Uラックマウントタイプの同シリーズは、SOHOや企業のワークグループを対象にした製品で、同社の鈴木裕司社長は「NASは大きな伸びが見込める市場。2003年中には売上の10%を占めるようになるだろう」と意気込む。磁気メディア「ZIP」に以前のような勢いが見られないだけに、アイオメガは成長が期待できるNAS製品で巻き返しを図りたいところだ。

 Iomega NAS A300/P400シリーズの特徴は、エントリーモデルからハイエンドモデルまで全製品がRIAD 5に対応していること。エントリーモデルのA300シリーズは、同社直販価格で19万9200円という設定だが、アイオメガでは「RAID 5は従来、高価格機にしか搭載されていなかった」と強調する。また、同シリーズはCPUにCeleron/900MHzを搭載。ローエンドのNAS製品としてはオーバースペックのようにも思えるが、「RIAD 5ではデータ書き込み時に常にパリティを算出・生成するため、CPUには高速な処理能力が必要」(アイオメガ)と説明している。ホットスワップ対応の主力モデルである400シリーズでは、Pentium III/1GHz搭載機がラインアップしている。


SOHO向けの「A300u」。ディスク構成は40Gバイト(Fast Ultra ATA)×3。RAID 0/1/5に対応。OSはUNIXベースのオリジナル


大企業のワークグループでの利用やSANシステム内のバックアップシステムとしての用途を想定したP400シリーズ。「Windows 2000SAK」を搭載するモデルと、A300uと同じUNIXベースのOSを搭載する2モデルをラインアップ。ディスク構成やCPUの違いで6製品を用意する。シリーズ全機種でホットスワップをサポートするほか、イーサネットポート×2を標準装備。さらに、上位モデルではギガビットイーサネット、またはUltra-160 SCSIに対応。直販価格は36万6400円〜

 アイオメガでは、A300/P400シリーズの投入にあわせ、販路を拡大する計画。「企業向けのNAS製品の場合、従来のエンドユーザー向け製品とは、流通チャネルも異なってくる。既存のパートナーを大きく変更するということはないが、見直しは必要だ。また、サポート面の強化も必要になる。サードパーティと協力し、製品出荷までにはオンサイトのサポートサービスを全国展開できる体制を整える計画だ」(鈴木社長)。

 NAS製品の国内展開に力の入るアイオメガだが、鈴木社長は「NAS製品の位置付けは、アイオメガがフロントエンドからバックエンドまで一貫してストレージ製品を提供できるところにある。NASは成長市場だが、アイオメガにとっての主力製品は今後もZIPだ」と強調した。

 「ZIPのような事業は、途中でやめるわけにはいかないもの。今年の秋頃には新製品を発売する予定だ。ZIPメディアを利用したもので、容量はCD-RWと同等になるだろう。下位互換なので、既存のZIPユーザーも利用できる。ただ、メディアの価格は従来製品よりも高くなるかもしれない」(鈴木社長)。

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[中村琢磨, ITmedia]

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