News | 2002年8月27日 08:07 PM 更新 |
コクヨとNTT(持株会社)は8月27日、コクヨが都内に展開するビジネスマン向け時間貸しレンタルスペース「DESK@」(デスカット)において、自分の使用したPCの環境や作成したファイルを、どのDESK@店鋪でも再現できる「シェア―ドPCシステム」の実証実験を行うと発表した。実験期間は、9月2日から3カ月間。DESK@新橋店、ならびにDESK@東京店にシェアードPCシステムを設置し、実用化に向けた検証を行う。
シェアードPCシステムは、NTTサイバーソリューション研究所(NTT研究所)が開発した。ICカードによってユーザー情報を管理する。ICカードリーダを備えたPCにカードを差込み、パスワードを入力。認証されたユーザーに対しては、サーバ側に保存してある環境設定情報などがクライアント側のマシンに配信される。DESK@店鋪のマシンはすべて出荷時の状態になっており、「その状態から変更した情報は全部保存される」(NTT研究所のNTT研究所の中濱清志主任研究員)。なお、中濱氏によれば、サーバ側に保存できるデータ容量は「100Mバイトが目安」という。「ビジネス用途なら、これだけあれば十分」(同氏)。
ただ、自宅や会社で使っているPCの設定をDESK@のPCに持ってこられるわけではない。あくまで、DESK@で構築した自分の環境が、DESK@店鋪であればどこでも使えるというものだ。
このシェア―ドPCシステムは、ネットワークコンピュータ(NC)のコンセプトに似ているが、中濱氏は、「NCとは基本的にコンセプトが異なる」と強調する。「われわれが検証した結果、NCのモデルではビデオチャットなどのマルチメディアアプリケーションを動作させることはできなかった。シェア―ドPCシステムは、クライアントPC上でアプリケーションを動かしているため、負荷の大きいアプリケーションも利用することができる」(中濱氏)。
PCの設定情報をやり取りできるのは、DESK@店鋪の中だけだが、作成したファイルに関しては、自宅や会社のPCから取り出すことができる。NTT研究所では、シェアードPCシステム用のサーバにアクセスできる専用のFTPソフトをモニタに配布。一般のFTPソフトのように、ドラッグ&ドロップでファイルのダウンロード/アップロードが可能だ。
なお、コクヨとNTTでは、まず、DESK@会員を対象に実証実験のモニターを募集し、シェアードICカードを発行する。11月からは、一般ユーザーも申込可能。モニター希望者は、DESK@のホームページから応募することができる。
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[中村琢磨, ITmedia]
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