News | 2002年8月27日 11:59 PM 更新 |
2回戦(準々決勝)
【第1試合】R-BlueIV対Adamant 2nd 恐れていた通り、準々決勝の1試合目は、予選1位vs2位の2回戦での激突。ああ、もったいない。実際、非常に白熱した好試合になったのだ。
機動性のR-BlueIV、大きさと安定性のAdamant 2ndという戦い。実力は甲乙つけがたいはずなのに、大きさのせいでAdamant 2ndがヒール役になっちゃうのは、ちょっとかわいそうだった。
この試合、R-BlueIVはよく倒れた。なぜなら、自分より大きなAdamant 2ndを倒すためには、自分も倒れることを前提にして大きな攻撃をしかけるしかないからだ(Adamant 2ndは倒れたら起き上がることができない)。しかしAdamant 2ndは倒れない。R-BlueIVがひとりで倒れては起き上がっている。なんと、5ラウンドで8回も倒れているのだ。この状況だと、Adamant 2ndは攻め手がなくなる。倒れている相手に対する攻撃は許されていないから、踏んづけて起き上がれないようにっていうこともできない。
結局、両者決め手のないまま0対0で5ラウンド終了。勝敗は審査に持ち込まれた。結果、3対2でR-BlueIVの勝利。倒れても起き上がってくる姿勢が評価されたのと、デモの内容が“若干”良かったということらしい。とはいえ、観客席からは「えぇぇぇ!?」という声があがっていたのも事実。そのくらい僅差の試合だった。ほら、もったいなかった。
【第2試合】A-do対Metallic Fighter
熱戦の余韻がさめやらぬまま第2試合なのだけど、観客は第1ラウンドにいきなりすごいものを見ることになる。
両者、しゃがんだ状態での“ど突き合い”から、Metallic Fighterの右フックが決まり、A-doが前のめりに倒れてしまう。かろうじて手はついているものの、これはダウンになる。A-doは起き上がることができない……はずが、ジタバタしたA-doが、なんと起き上がることに成功してしまうのだ。観客は大喜び。レフリーのカウントが遅かったのも事実だけど、許す。わたしも、起きあがるシーンが見たかった。
第2ラウンドも、A-doは同じように転倒する。再現を期待するも、今度は起き上がれない。この後、両者とも決定打を奪えず、1対0の5対0でMetallic Fighterの勝利。
ところで後で、A-Doのすがわらさんに話を伺ったのだけど、このロボットはかなりいいモータを使っているんだって。「壊れにくさとかメンテナンスコストを考えると、結局、いいモータの方が安くつく」そうだ。なるほど。
【第3試合】STEP1対HSWR-01
大型ロボット同士の激突。ヘビー級の戦いだ。ロボットもこの大きさになると、倒れたときにかかる衝撃も大きくなる。うっかりすると壊れてしまう可能性だってあるのだ。
第1ラウンドは両者ジャブで相手の様子をうかがっているうちに終了。これはこれで大物対決らしい。第2ラウンドは、HSWR-01のパンチがSTEP1にヒットし、ぐらつかせるというシーンもあったのだが、STEP1もちゃんとバランスを保つ。ぐらつきながら倒れないというバランス設計はすごい。
第3ラウンド、こんどはSTEP1のパンチがきれいに入りダウンを奪うも、直後に自分も反動でバランスを崩して倒れてしまう。ダブルノックアウトとなって仕切り直し。STEP1惜しくもダウンを奪えず。
仕切り直しの後は決定打もなく、このラウンドもドロー。
実は、わたしもビデオテープを見て初めて気が付いたのだけど、仕切り直しがあったりしたために、スタッフがラウンドカウントを勘違いしている。次は第4ラウンドのはずなのに、また第3ラウンドとカウントしてしまっている。この試合、結局6ラウンドやっちゃったのだ。というわけで、“うるう第3ラウンド”。
STEP1の右パンチが、HSWR-01のどこかに引っかかってしまったらしい。そのまま前のめりに倒れるSTEP1。それが浴びせたおしの形になり仰向けに倒れるHSWR-01。そのHSWR-01の後頭部がリングの周りを囲うアクリルの壁の一番上にぶつかる。この一瞬、ロープで後頭部を打った力石徹の姿が重なったのはわたしだけではない*3。
短い調整期間を挟んで、仕切り直した後、どうなるかとドキドキしたが元気に動くHSWR-01(でも、力石も試合中は元気だったよなぁ)。
このラウンドは、最後にレフェリーが見せ場を作った。終了のブザーが鳴った後に、HSWR-01が放ったパンチがSTEP1に当たった。コマンドの伝達遅延があるので、こういうこともあり得るのだ。アンフェアなプレイというわけではない。何にしても、倒れそうになるSTEP1。そこにレフェリーの手が伸びて、STEP1を支える。ラウンド終了後のプレイでロボットが怪我をしてしまってはいけないという処置だが、とっさによく手が出た。
第4、第5ラウンドは、もう疲れてしまったのだろうか、第1ラウンドと同じように、お互いの様子をうかがうようなプレイになった。結局どちらもラウンドを得られない0対0のまま試合終了。審査を仰ぐこととなる。
結果、3対2でHSWR-01の勝利。熱戦はこうして終わった。
【第4試合】剛王丸 vs ガングー1
熱戦続きの2回戦だけど、第4試合は比較的一方的な試合になった。ガングー1のリーチの長いパンチが面白いように剛王丸をつかまえてしまうのだ。剛王丸は、自分の間合いに詰めることができない。結果、3対0、5対0でガングー1の勝利(前の試合に比べて、あっさりまとめちゃってる。すみません)。ガングー1はかわいい見かけに似合わず、かなりバランスの取れた強いロボットだ。
[こばやしゆたか, ITmedia]
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