News 2002年9月11日 06:28 AM 更新

Intel、Baniasのアーキテクチャを語る――IDF 2日目

IDF Fall 2002の2日目、Intelがようやくモバイル専用プロセッサ「Banias」のアーキテクチャについて語り始めた

 Intelはモバイル専用プロセッサのBaniasについて、約1年にわたって詳細なアーキテクチャを公開しないままできた。プロセッサとともに出荷される予定の802.11a/bデュアルバンドの無線LANチップを含めた「プラットフォーム全体のマーケティング戦略」ばかりが強調され、Baniasというプロセッサ自身については、あまり語られてこなかったのだ。

 そのIntelが、「Intel Developer Forum Fall 2002」の2日目、重い口をようやく開いた。

 Intel Mobile Platforms Group副社長のAnand Chandrasekher氏はその基調講演で、新プロセッサ、Baniasの機能について(これまで何度も繰り返されてきたユーゼージモデルのデモではなく)簡単な説明を行った。より詳細な内容はテクニカルセッションで解説される。

 基調講演の中で同氏は、これまでモバイル向けとしてひとくくりにされてきた分野を、ポータビリティが必要とされるセグメントと、モビリティが必要とされるセグメントに分割。ポータビリティが求められる分野にはモバイルPentium 4-Mを、モビリティが求められる分野にはBaniasプラットフォームを投入すると説明した。

 Baniasとともに出荷されるデュアルバンド無線LANチップでワイヤレスのコネクティビティを、Baniasプロセッサでバッテリ駆動時に最適なパフォーマンスを提供する。Baniasのマイクロアーキテクチャは、絶対的な速度よりも効率を重視した実行ユニットや、大容量キャッシュメモリ、省電力で広帯域のプロセッサバス、次世代のSpeedStepやきめ細かなクロックゲーティングが特徴で、バッテリ駆動時のパフォーマンスを最大化するように工夫されている。

 例えばBaniasはバッテリ駆動モード時、既存のモバイルプロセッサより50%高速に動作。MPEG4のリアルタイム圧縮処理をバッテリ駆動モードでこなすことができるが、その時の消費電力は7ワット程度。もちろん、低負荷時の消費電力は1ワットを下回る。

 これらに加えてデュアルバンド無線LANソリューションや無線LAN向けのセキュリティソリューション、薄型ノートPCの開発を可能にする新型の冷却モジュールなどで、プラットフォーム全体の価値を高める。バッテリ駆動時間延長のための取り組みも業界全体で行っており、8時間のバッテリ駆動を目標に開発が進んでいるという。

 IDFの2日目はこのほか、Desktop Platforms Group副社長のLouis Burns氏が家庭内ネットワークでデジタルメディアを楽しむための取り組みを、上級副社長兼ジェネラルマネージャのRonald Smith氏がXScaleアーキテクチャにMMX命令を組み込んだことなどを、それぞれ発表している(2日目の発表内容の詳細は後ほど掲載予定)。

関連記事
▼ 特集:Intel Developer Forum Fall 2002

[本田雅一, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.