News 2002年9月11日 11:51 PM 更新

ソニー、“未来バイオ”のコンセプトモデル発表

ソニーが、自分のコンテンツを蓄積できるパーソナルサーバや、一歩先を教えてくれる日常生活支援タイプなど、未来のバイオをカタチにした「未来バイオ」のコンセプトモデルを発表した

 ソニーグループが9月14、15日に行う「ソニードリームワールド2002」の会場内では、「VAIO EXPO 2002」も併催される。イベントに先駆けて行われたマスコミ向けのVAIO商品説明会で、バイオの進化をカタチにした「未来バイオ」のコンセプトモデルが紹介された。

 これまでバイオの世界は、“つながる”楽しみを広げることで進化してきた。当初スタンドアロンだったPCをメモリースティックやi.LINKによってビデオカメラやオーディオといった「AV機器とつなげる」ことを提案。さらにImageStationやSo-netなどを通じて「ネットワークサービスとつなげる」ことの楽しさや便利さを紹介した。そして今年のバイオ秋モデルではVaio Mediaを介して「ホームネットワークとつなげ」ている。

 同社MNCバイオノートブックコンピュータカンパニープレジデントの島田啓一郎氏は、「“未来バイオ”は、バイオが次に目指す方向性をカタチにしたもの」と語る。

 その一例としてまず紹介されたのが、この“つながる”楽しみをさらに進化させた「VAIO Contents Egg(コンテンツエッグ)」だ。


“つながる”楽しみを進化させた「VAIO Contents Egg」

 コンテンツエッグは、ホームネットワーク上にあって、外から“つながられる”ことを目指したバイオで、簡単にいうと写真や映像、音楽など、自分のコンテンツを蓄積できるパーソナルサーバだ。「コンテンツエッグと外に持ち出したノートPCとが常につながっていることで、自分だけのコンテンツをいつでもどこでも楽しむことができる」(島田氏)。

 コンテンツエッグには、HDDレコーダやDVDレコーダといった録画機能のほか、TV番組の受信・録画機能や、ワイヤレスおよび有線でのネットワーク接続機能などを備える。ユーザーは、移動先もしくは移動中の環境から、インターネット経由でコンテンツエッグにアクセスして、そこにため込んだ写真や映像などのコンテンツを手元のノートPCで楽しむことができるのだ。


コンテンツエッグのイメージ図

 「ノートPCからTV番組の予約も行えるほか、移動先で昨日見逃したTV番組を見ることもできる」(島田氏)。


ユーザーがアクセスするたびに、コンテンツエッグの本体がブルーに光る

一歩先を提案してくれるVAIO E.Q

 未来バイオのもう1つのコンセプトモデルが、Sensing Computer「VAIO E.Q」だ。手のひらサイズの六角形のボディは、タバコの灰皿ぐらいにしか見えないが、これでも立派な“バイオ”なのだという。


Sensing Computer「VAIO E.Q」

 コンピュータはもともと、人間の記憶や計算といった論理的な機能の補助の役目を担っていた。その一方で、AIBOのように“かわいい”とか“癒し”といった人の感性に訴えるエレクトロニクス機器も近年登場している。バイオE.Qは、この「論理的な機能の補助」と「人の感性に訴える」というそれぞれの機器のちょうど中間に位置するものだという。

 「バイオE.Qでは、日常生活のシーンや会話、メモなどが、記憶装置に自動的に記録されていく。例えば、顔は見たことがあるけれど、それが誰でいつ会ったかというのを忘れてしまった時、VAIO E.Qは、どこで誰と会ったという情報を過去の履歴から参照する。それをその場の情報と組み合わせて、ユーザーの記憶や思考を手助けしてくれる」(島田氏)。

 つまりバイオE.Qは、ユーザーの日常生活を支援するという全く新しいカテゴリのコンピュータなのだ。「いつでもどこでもユーザーと一緒に出かけて過ごすことで、ユーザーの経験や思考を次々と記憶し、感覚的な表現でその場に適したアドバイスしてくれる。バイオE.Qは、一歩先を教えてくれるコンピュータ」(島田氏)。


左の六角形の物体は、バイオE.Qのベース機。黒い部分がディスプレイになっている

 これら2つの“未来バイオ”はまだ研究段階で、近日中の商品化の予定はないという。「未来バイオは、2004年ごろの製品を具現化したもの。これからのコンピュータは、もっと人と仲良くなれる時代。ブロードバンドやワイヤレスがモバイルPCの世界を変えているこの時代に、ソニーは一歩先を行く新たな提案で文化の創造に貢献していく」(島田氏)。

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[西坂真人, ITmedia]

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