News:ニュース速報 2002年10月3日 07:13 PM 更新

三菱電機、DRAM事業をエルピーダに譲渡 日立と半導体事業を統合

三菱電機とエルピーダメモリは10月3日、三菱電機のDRAM事業をエルピーダに譲渡する方向で検討することについて基本合意に至ったと発表した

 三菱電機とエルピーダメモリは10月3日、三菱電機のDRAM事業をエルピーダに譲渡する方向で検討することについて基本合意に至ったと発表した。今年中に基本合意に関する最終的な契約締結を行い、三菱電機は2002年3月末でDRAM事業から撤退する。

 三菱電機は当面、既存顧客向けに生産を一部継続するが、実質的には、NECと日立製作所の合弁で設立されたエルピーダが、日本唯一のDRAMメーカーとなる。「日の丸DRAMカンパニーの新たな出発だ」(エルピーダの徳山賢二社長)。なお、DRAM事業の売却額は未定。


DRAM事業の譲渡/提携について記者会見する三菱電機半導体事業本部の塚本克博氏(左)、エルピーダメモリの徳山賢二社長(中央)、Powerchip SemiconductorのFrank Huang社長(右)

 三菱電機はエルピーダに数十名の技術者を派遣するほか、技術ならびに顧客サポートのエルピーダへの集約を図る。また、三菱電機が資本参加する台湾の半導体製造・販売会社Powerchip Semiconductor(PSC)は、エルピーダとDRAM事業で提携することで基本合意。エルピーダから0.11/0.10マイクロメートルプロセス製造技術の供与を受け、製品を供給していく。なお、現在、三菱電機の技術供与によりPSCが製造している0.12マイクロメートルプロセスのDRAMは今後、エルピーダに供給されることになる。

 「三菱電機のDRAM事業を継承し、PSCを外部ファウンドリーとして活用することにより、世界市場でのDRAM事業のプレゼンス拡大に必要な技術力、コスト競争力、生産力という3要素のレベルが上がる。“勝ちのパターン”に1歩く近づいた」(徳山社長)。

 また三菱電機と日立製作所は、システムLSI事業を中心とする半導体新会社「ルネサステクノロジ」を2003年4月1日に設立することで基本合意した。マイコンやロジック・アナログ、ディスクリート、フラッシュメモリ、SRAMを含む半導体部門を統合する。新会社の売上高は2003年度に9000億円を見込む。

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