News 2002年10月17日 09:41 PM 更新

替え玉受験はもうできない?――NEC、顔検出・顔照合エンジンを発表

NECは10月17日、人の顔を認証に使う顔検出/顔照合エンジン「NeoFace」を製品化した。パスポートや受験票の本人確認、お店での接客サービス向上などへの利用を目指していくという

 NECが、開発した顔検出・顔照合エンジン「NeoFace(ネオフェイス)」は、同社独自の「顔画像検出エンジン」と「顔画像照合エンジン」を組み合わせた顔認識技術を採用し、他社製の同等の製品よりも、高いマッチング精度を実現している点が最大の特徴。Pentium III/800MHzのCPUを採用したパソコンで、画像1枚あたり1msのスピードで画像を照合し、1秒間に最大8回の検出を行うことができるという。


NECのNeoFaceをインストールしたパソコン

 採用されている顔画像検出エンジンには、目に似た領域の抽出と顔の判定を組み合わせた「多重照合顔検出法」を採用。判定には、ベクトル量子化技術を用いた同社独自の学習アルゴリズムが採用されている。これによって、正面を向いていない顔でも、高速で高精度な顔画像の検出を実現している。また、複数の顔画像の検出を行うこともできる。

 顔画像照合エンジンは、「摂動空間法」と「適応的領域混合マッチング法」の2種類を採用。あらかじめ予想される変動(斜めの顔画像や、暗い部屋/明るい部屋の顔画像など)をデータベースに登録しておくことで、正面から見た画像でなくても正確な認識ができる。斜めからの顔画像やサングラス、マスクなどで顔の一部が隠れた状態でも大丈夫だそうだ。また、照合した人のみを検出したり、順位を付け、よく似た人から順に表示させることもできる。

 ちなみに、前者の摂動空間法は、照明の明暗などの環境条件の変化にも対応した照合性能を向上させるもの。後者の適応的領域混合マッチング法は、一部の特徴的な部分を元に判定を行うのではなく、目・鼻・口の形など部分領域での類似度の高さで照合する方法だ。

 同社によると「検出に使用する画像は、カラー、モノクロのいずれでも使用可。圧縮ノイズによる影響も、JPEGであれば問題ない。MPEGによる圧縮はまだ検証していないが、DV圧縮などであれば問題はないだろう。顔幅の解像度が150画素ぐらいあれば、検出できる」という。

 実際の照合に使用される顔画像は、眉から口までで、髪型は使用していないということだ。これは、「髪型を使用することでより高精度な照合を実現することができるが、髪型が変わったときの判定ミスが増加してしまう」(同社)からだ。

 実際にサングラスやマスクをした人の顔画像を使って、きちんと照合できるかのデモを行っていたが、問題なく照合できていた。


NeoFaceを使用して照合を行った時の画面。下に並んでいるのが、よく似た人の候補である

応用例は多いが認識精度には若干の問題も…・

 NeoFaceは顔を使った認識システムとしては、高度なエンジンを使うことで、高い照合率と柔軟な照合環境を実現している。

 ただ、現状では、本人を拒絶したり、違う人と見誤ってしまう平均誤り率(ER)が「1%」。つまり、100人に1人は間違える可能性がある。加えて双子など、人間が見ても間違ってしまうほどよく似た人では、やはり間違ってしまう。このため、指紋識別などと比較すると「(照合の精度は)落ちる」という。より高度なセキュリティを求めたい場合は、結局、顔認識と指紋識別の両方を併用するということが望ましいようだ。

 同社では、NeoFaceを活用したソリューションとして、「企業内システムの認証」や「各種施設の入出管理」のほか、パスポートや検定試験などの受験票の本人確認で利用する、あるいは、ホテルや飲食店などでお客を特定し接客サービス向上につなげる、といった事例を挙げていた。今後はこういった環境での利用を目指して営業展開していく方針。


NECがNeoFaceを使用して試作した「迷子探索システム」

 なお、NeoFaceは、Visual C++/Visual Basicに対応したSDKとして提供され、開発環境ライセンスや顔照合/顔検出などの実行環境のライセンスなども提供される。

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[北川達也, ITmedia]

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