News 2002年10月22日 11:08 PM 更新

フィリップス、コネクテッドホーム実現に向けた製品を発表

フィリップスは「コネクテッドホーム」実現に向け、その核となるメディアプロセッサとDVD+RW/+Rレコーダ用のリファレンスデザインを発表した

 欧州最大の家電メーカーであるフィリップスは、10月22日、都内でユビキタスネットワーク時代をにらみ、その根幹を成す技術をマスコミに紹介する「プレス・テクノロジー・フォーラム」を開催。その核となるメディアプロセッサの新製品とDVD+RW/+Rレコーダ用のリファレンスデザインを発表した。

 「ユビキタスネットワークとは、あらゆる機器やモノ、ヒトがシームレスにつながり、いつでも、どこでも、誰とでも、何とでも、接続できること。そして、非PCを加えることで、24時間の生活支援が可能になる」。

 ゲストスピーカーとして登場した野村総合研究所・コンサルティング部門 情報・通信コンサルティング部 グループマネージャー、名雲俊忠氏は、ユビキタスネットワークについてこう表現した。

 ユビキタスネットワークでは、インターネットに接続されたPCだけでなく、それに非PC、例えば、ホームサーバなどの専用の機器を加えることで、より便利な生活環境の提案を行うことができる。言い換えると、「人のためになる“IT”を実現しよう」というわけである。そして、言うまでもなく映画や音楽などのコンテンツは、インターネットなどの通信、従来からある放送やパッケージメディアなどを通じて配信されることになる。これを家庭内で使用することを前提とすると、必然的に浮かび上がるのが「ホームサーバ」構想だ。

 フィリップスは今回、あらゆる機器を接続することができる「コネクテッドホーム」実現に向け、その核となるメディア・プロセッサ「Nexperia pnx1500」と「DVD+RW/+Rレコーダ用のリファレンスデザイン」を発表した。

 pnx1500は、DVDプレーヤーやパーソナルビデオレコーダ、液晶テレビ向けのメディアプロセッサ。MPEG1/2/4及びH.263/264、DV、DivX4/5/6、RealVideo、WMT、Quicktime、MP3、AAC、DTS、JPEG/JPEG200――などの主要なビデオ/オーディオ規格をサポートし、PCIバス(32bit/33MHz)や10/100Bese対応のイーサネット、IDEコントローラ、2Dグラフィックス、最大1920×1080 60IのHDに対応するVideoOUTやW-XGA(1280×768)対応のLCDコントローラなどの機能も集積する。

 特にメインコンテンツと考えられる映像/音楽分野についてはサポートを充実。MPEG1/2/4、H.263やMP2/MP3、AACについては、デコードだけでなくエンコードも行うことができ、モーションアダプティブ・ラインダブラと呼ばれる機能を搭載し、プログレッシブディスプレイ上で高品位な映像再生が行えるという。IDEコントローラを内蔵しているので、これにDVD+R/RWドライブやHDDを接続し、ホームサーバを設計することが可能となっている。


pnx1500を使用して設計されたストリーミング再生用のセットトップボックス

 また、pnx1500は、プログラマブルに設計されており、消費者のニーズに合わせ、アップグレードやカスタマイズが行えるという特徴もある。これによってpnx1500は、新しい規格に柔軟に対応することができ、例えば、ソフトウェアによって3Dグラフィックス機能を実装したり、JAVAの実行環境を提供するといったといったことも可能だ。

 pnx1500は、0.13ミクロンで製造され、2003年第1四半期からサンプル出荷が始まり、量産は、第2四半期の予定。量産時の価格は、20ドル以下としている。


JAVAの実行環境も搭載したpnx1500搭載のデモ機

 DVD+R/RWレコーダ用のリファレンスデザインは、DVDプレーヤの開発/販売を行っているメーカーが、短期間に競争力のある価格でDVDレコーダ市場に参入できるように準備されたもの。同社の「Nexperiaシステムソリューション」をベースとしたリファレンスデザインは、MPEG2オーディオ・ビデオ・グラフィックエンジンCODEC「pnx7100」とDVD+R/RWビデオ・レコーダ・エンジン「VAE8020」で構成される。

 pnx7100は、MIPS CPUコアを採用し、MPEG2エンコード/デコード、トランスコード機能を搭載し、IEEE1394インターフェースなども内蔵されている。

 VAE8020は、同社としては第2世代になるDVD+RWビデオレコーダエンジンで、デュアルレーザー光ピックアップ装置、ファン装置つきのトレイローダ、モジュール制御とチャンネル・エンコード/デコードに必要なすべての部品を搭載したPCBで構成される。

 同社によると「このソリューションを使用すれば、来年1月にラスベガスで開催されるCESで、DVD+R/RWレコーダを発表することも可能」という。

 このリファレンスデザインは、すでに、一部のメーカーに対して提供が開始されており、量産は、2003年第二四半期の予定。

[北川達也, ITmedia]

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