News:ニュース速報 | 2002年10月24日 08:37 PM 更新 |
独立行政法人の産業技術総合研究所は10月24日、1トランジスタ型FeRAM(強誘電体メモリ)で長期間のデータ保持に成功したと発表した。超Gビット級の高集積FeRAMの実用化に道を開くとしている。
FeRAMはDRAM並みの高速なデータ読み書きと不揮発性を両立する次世代メモリ。小容量品が既に実用化されているが、大容量化に向けた集積度に課題が残っている。1個のトランジスタがメモリになる「強誘電体ゲート電界効果トランジスタ」はメモリ1ビットの面積が小さいため、超高集積型FeRAMを実現するものとして期待されているが、現状ではデータ保持が1日程度と短かった。
産総研はレーザー蒸着法による高品質な強誘電体と緩衝層からなる薄膜積層化技術を開発。また新規材料によりち密なアモルファス膜を形成させ、緩衝層の絶縁リーク電流を低減させるなどしてデータ保持性能を向上。約12日間のデータ保持を実証した上、年単位のデータ保持も実現できているという。
産総研は「データ保持性能のハードルを越えた」とし、今後は動作電圧の低減などの性能向上と、書き換え可能な論理回路への発展など新規デバイス開発も図っていく。
[ITmedia]
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