News | 2002年11月8日 10:39 PM 更新 |
アップルコンピュータは、11月6日に発表した新しいノートブックラインの報道向け説明会を開催した。マイナーチェンジながら、「PowerBook G4」には1GHzのプロセッサと記録型DVDドライブを備え、「iBook」は高速化と共にきょう体色など若干の変更が加えられている。
左から「PowerBook G4」、「iBook」12インチモデル、同14インチモデル
新iBookの12インチモデルは、CPUがPowerPC G3/800MHzおよび700MHzに高速化され、グラフィックチップも従来のPowerBookで採用されていた加ATIの「Mobility Radeon 7500」に変わった。下位機種のCD-ROMモデルには16Mバイト、上位機種のCD-RW/DVDコンボドライブモデルには32Mバイトのビデオメモリを搭載している。メインメモリはともに128Mバイトだ。
一方の14インチ液晶モデルは、G3/800MHzと256Mバイトのメモリ、そして32MバイトビデオメモリのMobility Radeon 7500という仕様だ。
液晶や本体サイズに変更はないものの、一点だけ大きな変更がある。12インチモデルのきょう体色だ。
従来のiBookは、白い素材の上に透明な素材を重ねた外装だったが、新モデルではツヤのある白いポリカーボネートを採用した。色は鮮やかになったものの、見る人によって好みは分かれそうだ。また、これに合わせて内側(液晶やキーボード周り)も白くなった(上の写真を参照)。
価格は、従来よりも安い12万4800円から。いずれも11月9日に発売する。
PowerBookは熱くならない?
チタンボディのPowerBookは、2年前の登場以来4回のアップデートを経て、とうとうクロック周波数が倍になった。厚さ1インチ、2.45キロという数字に変更はないが、1GHzのPowerPC G4とスロットイン型のSuperDriveを搭載、さらにグラフィックチップも新しい「Mobility Radeon 9000」を採用している。
アップル、プロダクトマーケティング担当課長の福島哲氏は、Finderの2Dベンチマーク結果を示しながら「スクロールには大きな変化はないが、ファイル移動やウィンドウのリサイズで大きく違う。従来機種の800MHzモデルを使用している人でも体感できるほど速くなった」としている。ビデオメモリはDDR SDRAMとなり、SuperDriveモデルには64Mバイト、コンボドライブモデルには32Mバイトが載っている。
ロジックボードも基本的には従来通りだ。ただし、CPUの高速化に伴って放熱機構がパワーアップした。
具体的な変更点は、ヒートシンクの表面積拡大と無段階ファンの採用。従来は3段階制御(0/1/2のため、実質2段階)だったが、より細かくファンの動作を変えることで、効率的な放熱を可能にする。もちろん、“無段階”ファンとはいえ、デジタル制御であるからには段階が生じる。
「新PowerBookでは、温度センサーと連動して約80段階のファン制御が可能だ。1GHzモデルをしばらく使ってみたが、本体が熱いと感じたことはない」(同氏)。
もう1つの目玉であるSuperDriveは、DVD-R書き込み1倍速、DVD読み出し最大6倍速、CD-R書き込み最大8倍速、CD-RW書き込み最大4倍速、CD-ROM読み出し最大24倍速というスペック。付属の動画編集ソフト「iMovie 2」やDVD作成ソフト「iDVD 2」と合わせ、ノート1台で動画キャプチャからDVD制作までを賄えるようになった。
このほか細かい変更点としては、リカバリーディスクがDVDメディアになったことが挙げられる。もちろん、起動も可能だ。「DVDになったことで、Mac OS Xのインストールやリカバリーが高速化できた。Mac OS Xのインストールが20分以下、アプリケーションを含めても35分強で終了する」(同社)。
新PowerBookの価格は29万9800円から。867MHz CPUのコンボドライブモデルは11月9日、SuperDrive搭載の1GHzモデルは11月下旬に販売を開始する。
[芹澤隆徳, ITmedia]
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.