News 2002年11月14日 03:00 PM 更新

ハイパースレッディング搭載Pentium4を試してみた(1/3)

HTテクノロジ対応インテルPentium 4プロセッサ/3.06GHzが発表された。その最大のウリであるハイパースレッディングの効果がどれほどのものなのか、そしてどのような環境ならば効果が得られるのか、ベンチマークテストを行ってみた

 インテルからハイパースレッディング(Hyper-Threading)が利用可能になるHTテクノロジ対応インテルPentium 4プロセッサ/3.06GHzが発表された。今後、3.06GHz以上のクロック速度で動作するPentium 4すべてで、このハイパースレッディングを利用可能になる。

 その製品としての詳細は発表会レポートに譲るが、余剰ハードウェアリソースを有効活用し、2つのプログラムを同時実行可能というハイパースレッディングは、デスクトップアプリケーションのユーザーにどのような恩恵をもたらすのだろうか? いくつかのベンチマークテストを通じて、ハイパースレッディング導入がパフォーマンスに与える影響を探ってみた。

 なお、すべてのテストはマザーボードD845GEBV、メモリPC2700 DIMM/512Mバイト×2、ハードディスクIBM IC35L180(ATA133、180Gバイト、7200rpm)、Matrox Perhelia 512で構成したハードウェアに、日本語版のWindows XP Professionalをインストールして行っている。

 また、文中では触れていないがシステムパフォーマンスを計測する「SYSmark 2002」、3D性能を計測する「3Dmark 2001SE」も動かしてみた。だが、いずれもハイパースレッディング機能の有効/無効による明確な差は現れなかった。

 なお、カーネルのオーバーヘッドによる影響を考慮するため、ハイパースレッディング有効時はマルチプロセッサカーネル、ハイパースレッディング無効時にはシングルプロセッサカーネルに入れ替えてテストを行っている。

マルチプロセッサ対応アプリケーション

 ハイパースレッディング有効時、OSから見るとシステムは対称型マルチプロセッサシステムに見えるため、既存のマルチスレッド対応アプリケーションは高速に動作する可能性が高い。デスクトップPC向けアプリケーションでマルチスレッド対応をうたう代表的なソフトウェアは、音声や映像の圧縮コーデック、それにコンテンツ制作用ツールだろう。

 ここではまず、アドビシステムズのPhotoshop 7.0、Premire 6.5、AfterEffects 5.5を用いてテストを行ってみた。

 Photoshop 7.0のテストは内蔵するマクロ機能を用い、解像度変換、色空間変換、アンシャープマスク、ガウスぼかし、マジックワンドなどのフィルタやツールを繰り返し動作させ、変形処理などの重いフィルタを適用。さらにマスク処理を行いながら数種類のフィルタを実行する一連の動作を数回繰り返す時間を計測した。結果は約13%アップ。

 Premire 6.5では、複数のDV-AVIファイルを3Dトランジションでつなぎ合わせ、さらにそれぞれのビデオにコントラスト、色調、彩度をそれぞれ変更するフィルタをかけ、プレビューファイルを作成させた。するとこちらも12.6%向上という結果を得ている。

 ただし、同じプロジェクトをタイムライン書き出し機能でMPEGに変換してみたところ、Adobe MPEG Encorderがマルチスレッド対応ではないのか、5%ほどの向上にとどまった。処理内容により、パフォーマンスの向上率は大きく異なる。

 最後にAfterEffects 5.5だが、こちらはDV-AVIファイルにフィルタ、トランスフォームをかけながら、タイトル文字をオーバーレイさせ、パステキスト機能でアニメーションさせ、それをQuickTimeで書き出すという処理を行ってみた。結果は13.1%と、これもなかなかの結果をはじき出している。処理によってはさらに効率の良い場合もあるだろう。

[本田雅一, ITmedia]

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