News:ニュース速報 | 2003年1月22日 11:01 AM 更新 |
全米レコード協会(RIAA)が違法音楽ファイル交換をめぐってインターネットサービスプロバイダーのVerizonを相手に起こしていた訴訟で、米連邦地裁がRIAA側の主張を受け入れ、Verizonに顧客情報の提出を命じた。Verizonは控訴する方針だ。
この訴訟の争点は、600件以上の海賊版音楽ファイルを不法にネット経由で公開したと疑われるVerizon加入者の情報を、VerizonがRIAAに渡す義務があるかどうかという点にあった。
RIAAは、Verizonには米デジタルミレニアム著作権法(DMCA)に則って加入者情報をRIAAに提示する義務があると主張していた。今回の判決を受けてRIAAのCary Sherman理事は次のようなコメントを発表している。「われわれの法解釈を認めた今回の判決を高く評価する。この命令により、われわれはVerizonアカウント保有者にコンタクトを取って、彼らが違法行為にあたっていることを知らせることができる」。
だがVerizon側は、2002年7月にRIAAがVerizon Onlineに対して送った顧客情報提示を求める召喚状は、DMCAに則ったものではない「無効な召喚状」だったとしている。また同社によると、RIAA側が著作権侵害と見る音楽ファイルは、同社のネットワーク上ではなくユーザーのハードディスク上に存在している。
Verizonの法務担当副社長、Sarah B. Deutsch氏は次のようなコメントを発表した。「今回の判決はコンシューマー、サービスプロバイダー、およびインターネットの成長に悪影響を与えるものだ。著作権侵害の疑いがあるというだけで、誰もが、正式な法手順を踏まなくともプライベートな加入者情報へのフルアクセスを要求できるという風潮の始まりだ。電子メールやネットサーフィン、プライベートなファイルの送信など、通信のプライバシーに打撃をもたらすだろう」。
さらに同氏は「Verizonは著作権法の違反者を守りたいわけではない。だが当社顧客および全インターネット利用者の基本的なプライバシーと正当な手順を要求する権利は守りたい」と説明、「今回の判決に控訴する」と宣言している。
関連記事
[ITmedia]
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.