News 2003年1月24日 08:07 PM 更新

自分を見ながら楽しいスキー?

自分が何かしている姿を、リアルタイムで見ることはあんまりできない。そこで作られたのが、自分のスキー姿を後ろから見るためのシステムだ

 エンターテインメントコンピューティングでは、論文よりも実物の展示がおもしろい。実際、エンターテインメントらしくおもちゃ的な要素や発想を形にした発表が並んでいた。  東京工業大学・精密工学研究所佐藤・小池研究室の長谷川晶一助手は、「スキーをより楽しくするための撮像・提示系」を展示していた。これは、背中に背負うサオの先につけた映像記録CCDカメラとヘッドマウントディスプレイからなり、自分自身の後ろ姿をその場で見ることができるシステムである。


東京工業大学 精密工学研究所佐藤・小池研究室の長谷川晶一助手。スキーが趣味で、趣味が高じて今回の研究成果となった

 会場には実際に実機が持ち込まれていて体験することができたのだが、おかげで自分自身の背中を(合わせ鏡などではなく)こういった形でリアルタイムに見ることは、これまでの人生でなかったということに気が付いた。


このように、背中にサオを担ぐ感じで使用する。サオ自体にそれほど重量はないので装着感はないが、それゆえに忘れやすく、まわりに人がいるとやや危ない

 改めて考えてみると、人間は自分自身については、意外といろんなことが未体験だったりする。右手で右手を握ったこはないし、左右反転していない顔をリアルタイムで見たこともない(最近これは、デジタルカメラを使ってできるようになったけれど)。

そんな未体験の極めつきが、リアルタイムで背中を見ることだ。なんとも不思議だが、確かにこれでスキーをすると、自分のフォームの改善に大いに役立ちそうだ。


ヘッドマウントディスプレイには、このように、リアルタイムに自分自身が映像化されて見えるようになる。自分の背中を見るのは、不思議な体験で、なんだか、テレビドラマの主人公になったような気分もした

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[美崎薫, ITmedia]

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