News | 2003年2月20日 09:42 PM 更新 |
供給のネックは、やはり「DDRII」
GeForce FXはNVIDIAの主力グラフィックスチップのTiシリーズと一線を画した高性能を実現するべく、さまざまな新機軸を採用している。スペックから言えば、コアエンジンはnFineiteFXから新世代のCineFXに変わり、コアクロックは500MHz。メモリクロックは実に1GHzだ。
そのため、基板はなんと12層にもなり、グラフィックコアは0.13μmプロセスを採用。メモリクロックは1GHzに対応すべく、PCアーキテクチャでは初めてとなるDDRIIを実装する。
ところが、このDDRIIが、GeForce FXの発売遅延に大きく影響している。DDRIIがまったく新しいメモリモジュールということもあり、依然として安定した生産がまったくできていないからだ。歩留まりは低く、出来上がったメモリチップもそのままでは安定して動作できるものが少ないという。
DDRIIの安定動作のため、NVIDIAではメモリ駆動電圧を当初予定より高めに設定。それでようやく実装ボードの安定動作にメドをつけたというほどだ。ただし、このおかげで、現在生産されているグラフィックカードの動作安定性はまったく問題がないことが、グラフィックカードベンダーで確認されている。
しかし、肝心のNVIDIAからの供給量はというと、相変わらず非常に少ない状況。ある日本ベンダーが供給できる初期ロットはワールドワイドで何とか4桁と、かなり厳しい。それでも日本市場向けにギリギリ3桁は確保したという。それでも、Granite Bayマザーよりは少ないらしいので、店頭に並んだら「即日完売」という状況が十分考えられそうだ。 GeForce FXはコアクロック500MHzにメモリクロック1GHzとPC並みの動作クロックなので、当然、発熱もかなりのものになる。NVIDIAのリファレンスボードには冷却機構「FXFlow」が搭載されるが、どうもこの騒音が「強烈」らしい。ある台湾ベンダーからの情報では、なんと「40dB以上」と、PCで最もうるさいパーツである電源ユニット並みの騒音をまき散らしてるそうだ。 GeForce陣営にとって、なかなか厳しい状況が続きそうだ。
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