News | 2003年2月26日 00:03 AM 更新 |
まず、マルチメディアPCアプリケーションの進展は、「Windows95のころから始まったマルチメディアPCは、オーディオや静止画を主体としたものだったが、次のステップとしてビデオを取り込みだした」と分析。PCの利用法としてデジタルカムコーダ(DVカメラ)で撮影したものを自分で編集する、PCでTV番組を録画するなどの利用法が増加してしているという。また、本来できてはいけないことだが、「市販のDVDビデオタイトルのコピーにも使われている」(藤原氏)。
次の、PCの差別化の手段は、CPUやRAM、HDDなどの飽和による差別化の手段として記録型DVDが採用されているというものだ。「新しい、ハイテクストレージを搭載することが重要な差別化につながっている」(藤原氏)。
再生インフラの進展は、DVDプレーヤーやPC用のDVD-ROMドライブの普及によるものである。同社によると現在DVDプレーヤーは昨年末実績で追跡1.3億台、PC用のDVD-ROMドライブは1.2億台という。「合計2.5億台の再生インフラがあるからレコーダ市場が立ち上がった。これは、CDの時と同じような現象が出ている」(藤原氏)。
追記型はDVD-Rのシェアが8割――メディア生産枚数
次にメディアの生産枚数の伸びだが、追記型メディア、書き換え型メディアともに大幅に増加。まず、追記型メディアは、昨年の総生産枚数は1億2000万枚と推定され、「DVD-Rのシェアが82%、DVD+Rのシェアが18%」とし、今年はさらなる増加が期待されているという。
また、藤原氏は、DVD+Rのシェアが18%に留まった事について「製品の発売が昨年春から始まり、時間的なラグも関係している」ことに加え、DVDの複製市場、つまり、「デュプリケート市場がDVD-R主体であるため」と分析する。
さらに藤原氏は、追記型ディスクは、「市場が2極化している」と話す。1つは、低価格、低品質の台湾メーカー品。もう1つは、高価格、高品質の日本メーカー品である。「市場ニーズも分かれており、高くても信頼が置けるものがほしいというニーズがある」(藤原氏)。
一方、書き換え型メディアの総生産枚数は3900万枚。「追記型メディアの3分の1の規模」(藤原氏)。その比率は、DVD-RAMがトップで約40%、DVD-RWが約30%、DVD+RWが約30%である。藤原氏によると「DVD-RAMメディアは、主に日本のDVR市場(DVDレコーダ市場)が中心、DVD+RWメディアは欧米、特に米国市場が大きい」と言う。
また、藤原氏は、追記型ディスクと書き換え型ディスクの市場の今後を、CD-Rと同じように追記型ディスクの比率が増えていくのではないかと予測する。「CD-Rは、昨年90億枚を超えたがCD-RWは2億枚。現在のDVDでは、約25%が書き換え型ディスク。ただし、追記型ディスクが安くなれば、CDと同じようになるのではないかと見ている」(藤原氏)。
DVDはあと2、3年でCDに置き換わる
藤原氏は、今後の光ディスクの市場動向についても触れ、DVDドライブは、CD系ドライブの需要減に変わる形で「あと2、3年で置き換わるのではないか」とし、2010年まで安定した需要が続くと予測。民生用のレコーダについては「次第にブルーレーザーを採用した次世代光ディスクと競合する」という。
ただし、藤原氏は、「DVDレコーダとDVDプレーヤーの価格差が縮まれば、現在のDVDプレーヤーの市場をレコーダが置き換える可能性もある」とし、ブルーレーザーを採用した次世代光ディスクは「HD-TV録画へのアプローチ技術」とする。
さらに次世代光ディスクに採用されている圧縮技術についても言及。現在Blu-ray Discでは、MPEG-2が採用されているが、「圧縮技術も進歩しているため、MPEG-2がくるのかMPEG-4が来るのかはまだ読めない」と結論付けていた。
[北川達也, ITmedia]
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