News:ニュース速報 2003年2月26日 07:26 PM 更新

歌詞とメロディを入力すると歌い出す ヤマハが歌声合成ソフト開発

ヤマハは、歌詞と音符を入力すると人間の歌声を自動合成するソフト「VOCALOID」を開発したと発表。実際の人の歌声から収録したデータベースをもとに合成するため、元の歌声の性質を残したリアルな歌声を合成可能だという

 ヤマハは2月26日、歌詞と音符を入力すると人間の歌声を自動合成するソフト「VOCALOID」(ヴォーカロイド)を開発したと発表した。実際の人の歌声から収録したデータベースをもとに合成するため、元の歌声の性質を残したリアルな歌声を合成可能だという。


VOCALOIDの画面(開発中のもの)

 同ソフトを使用すると、PCの画面上で入力したメロディと歌詞の通りに歌う歌声を合成できる。歌声ライブラリを切り替えることでさまざまな声音で歌わせることができる上、ソフトを操作して「こぶし」を効かせたりすることも可能という。日本語と英語を合成でき、他言語への対応も計画している。

 歌声はWAVE形式で出力される。シーケンサーソフトなどを使って伴奏を付けるといった加工も可能だ。ソフトはWindows 2000/XP対応で、Macintoshへの対応も予定している。


システム構成

 歌声合成技術は、独自に開発した「周波数ドメイン歌唱アーティキュレーション接続法」(Frequency-domain Singing Articulation Splicing and Shaping)を採用した。同技術では、あらかじめ人間の歌声から、ビブラートや音の断片など歌唱に必要な“声の表情”を集めた「歌唱アーティキュレーション」を集め、周波数領域に変換した上でデータベース化する。入力された歌詞に合わせ、データを取り出して音程(ピッチ)や歌詞の接続処理を行って出力する。

 処理は周波数領域で行うため、指定されたメロディに合わせてピッチを変更することが用意な上、歌詞の滑らかな接続が可能になるという。また元の歌声から取り出したピッチやビブラートを合成時に適用することも簡単にできるため、自然にピッチや音色を変化でき、リアルな歌声を再現できたとしている。

 ヤマハは歌声ライブラリ制作とソフト販売についてライセンス供与を中心としたビジネス展開を図る考え。サンプリングCD開発のクリプトン・フューチャー・メディアと独MUSIC-SHOP Best Service Kandler und Greil、英Zero-Gとの間でライセンス供与で合意。年内から来年初頭にかけて製品化する計画だ。

 3月5−9日に独フランクフルトで開かれる「Musik Messe」と同22−25日にオランダ・アムステルダムで開かれる「AES Convention」に出展する。

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