News 2003年3月12日 08:46 PM 更新

Centrino発表――ラウンチイベントでインテルが訴えたかったのは

12日に都内で行われたCentrinoのラウンチイベント。米国からはOtellini社長が来日、スペシャルゲストにはKONISHIKIも登場した。イベントでは遅れている802.11aに加え、.11gのサポートも正式にサポートを表明した

 インテルによるCentrinoテクノロジ ラウンチイベントが3月12日、東京の赤坂ブリッツで開催された。


イベント会場はTBSそばの赤坂ブリッツ

 イベントはベストセラー「ティピカル・ポイント」の著者Malcolm Gladwell氏によるムービースピーチから始まった。

 ムービーの中で彼は具体的なティピカルポイントの例として、ラジオと電子レンジがなぜ急激に普及していったかについて述べていく。誰もがどこでも聞くことができたラジオ。誰もが簡単に操作できた電子レンジ。「誰もが」「どこでも」「簡単に」使えることがユーザーを急激に普及させるティピカルポイントを生み出す。

 PCも誰もがどこでも簡単につながるようになれば……。とそこでCentrinoテクノロジーのコンセプトにつながっていく。


ムービーで登場した「ティピカル・ポイント」の著者であるMalcolm Gladwell。ラジオも電子レンジも誰もが簡単にいつでも使えるから普及する。だからPCもいつでも誰もが簡単に使えるようにあれば急激に普及する、とアピール

 ムービーのメッセージを受ける流れで、米Intel社長兼COOのPaul S.Otellini氏が登場する。

 彼はPCがどこでも簡単にネットワークにアクセスできる「ユビキタスコンピューティング」の実現に必要な要素として「動機」「ブレイクスルー」「インフラ」の3項目を挙げる。

 「どこからでもいつでも自由にネットワークにアクセスしたい、という動機は無線LANによってブレイクスルーした。そして、無線LANを使うためのインフラとして、誰もが簡単にアクセスできるホットスポットを用意しなければならない」と述べ、Centrinoが実現する「無線LAN」と「ホットスポット環境」の重要性を主張したのである。


米Intel社長兼COOのPaul S.Otellini氏。「無線LANの導入によって生産性は20%向上し、年間で3万ドルの利益が生じる」

 続いて登場したのはIntelのモバイル・プラットフォーム事業本部副社長兼事業本部長、Dadi Perlmutter氏。彼は、ステージに用意したモバイルPentium III-M/1.20GHz、モバイルPentium 4-M/2.40GHz、Pentium M/1.60GHzを搭載したノートPCを用意し、同時に走らせたベンチマークがPentium M/1.6GHz搭載ノートPCで一番早く終わるデモや、有線LANでストリーミングデータを再生中にハサミで断線させても無線LANでそのまま再生を続けられるパフォーマンスなど、Pentium Mのパフォーマンスと無線LANの利便性をアピールした。


インテル モバイル・プラットフォーム事業本部副社長兼事業本部長のDadi Perlmutter氏。「Centrinoテクノロジーは優秀なサッカー選手だ。優れたサッカー選手は何もしないときはパワーを蓄え、必要なときに全力で走り出すからだ」

 Centrinoのセールスポイントをインテルがどのようにアピールしていくのか。以前からいろいろと議論されてきたところだが、ラウンチの内容からも分かるように、インテルは無線LANによってもたらされるユーザーのメリットと、そのメリットを生かすためのホットスポットの整備をCentrinoテクノロジーのセールスポイントとしてアピールしていくようだ。


Webサイトに表示されたホットスポットマップ。Centrinoの大きな特徴としてこのようなホットスポットの整備活動が上げられる。インテルが互換性、セキュリティなどの検証を行ったホットスポットにはCentrinoのロゴが表示される

 また、今回はIEEE 802.11bのみであるが、「IEEE 802.11aも現在作業中で、今年中には実装予定。また、IEEE 802.11gも策定作業が完了して正式にFIXすれば、すぐにサポートする」(Perlmutter氏)と、今年の後半にはCentrinoでもIEEE 802.11gをサポートすることを正式に認めた。


イベントのサプライズ・ゲストはKONISHIKI! 大きな荷物で困っているKONISHIKI。荷物のテレビやらラジオやら楽器やら電話やらLANケーブル(このあたり無理やり)やら、魔法のバックに入れるとなんとっ!


1台のノートPCになっちゃった……というお話。ちなみに出てきたノートPCは“ゴツさ”に定評がある松下電器産業「TOUGHBOOK」。KONISHIKIに持ってもらって小さく見せようとしたのか(実際、ミニノートと間違えた)、それとも「KONISHIKIが踏んでも壊れない」タフさをアピールしようとしたのかは不明

[長浜和也, ITmedia]

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