News | 2003年4月1日 01:17 PM 更新 |
Matroxの最新GPU「Parhelia-512」を搭載した製品としてこれまで、ビデオメモリにDDR SGRAM128Mバイトを搭載した「Parhelia/128MB DDR AGP」が発売されていたが、今回登場した「Parhelia/256MB DDR AGP」(実売価格約8万3000円)はビデオメモリをDDR SGRAM 256Mバイトに倍増した以外、従来機種と同じスペックだ。
Matroxの最新GPU「Parhelia-512」はコアクロックが220MHzと低めながら、メモリクロックは550MHzとミドルレンジ並みの性能を持っている。メモリ回りをさらに見てみると、512ビットビデオメモリコントローラと256ビットDDR メモリインタフェースを実装するなど、GPUとビデオメモリ帯域を重視した設計になっている。
メモリ帯域がGeFore FX5800 Ultraの16Gバイト/秒を上回る、20Gバイト/秒というスペックを持たせているのは、3DCGで必須のフォトリアルスティック表現でパフォーマンスを発揮するため。レンダリング処理で発生する膨大なデータ転送処理で、Parheliaのアーキテクチャは威力を発揮する。
このようなParhelia-512搭載ビデオカードにとって、搭載メモリの増加はパフォーマンスにどれだけ影響するだろうか。Open GLの標準ベンチマーク「SPECviewperf」で、確かめてみた。
SPECviewperfはメジャーな3DCGアプリやCADで使われているOpenGLエンジン「3ds max」「DesignReview 」「Data Explorer」「Lightscape Viewset」「Pro/ENGINEER 2001」「Unigraphs 」のコードを内部に実装している。いわば、OpenGLに特化したアプリベンチといえる。
今回の測定はこの最新バージョンSPECviewperf 7.1を用い、パラメータはデフォルトで行った。
そのほかのマシン環境は以下の通り。
今回測定した限りでは、128Mバイトバージョンも256Mバイトバージョンもパフォーマンスに差は出なかった。テストによっては128Mバイトバージョンが上回っているケースもあるが、ほとんど誤差のうちに入ってしまう。
これは、SPECviewperf 7.1が256Mバイトをフルに使いきるだけの負荷を持っていなかったためと思われる。ただ、このベンチは実際の業務をシミュレートしているので、通常の使い方とそれほど差は出ない。
もっと大量のテクスチャデータを展開するような使い方をすれば、256Mバイトのメリットが出てくるだろうが、そこまでくると「GLoria」といったグラフィックスワークステーション用ビデオカードの領域になってくる。
ただし、「GLoriaには手が届かないが、それなりの高品位CGをレンダリングしたい」コンシューマCGクリエータにとって、Parhelia/256MBは有効な選択肢となる。コストが掛けられない、時間はそれほど急がない、高解像度高品質なCGを作りたい、という条件ならばParhelia/256MBはバランスの取れた製品と言えるだろう。
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[長浜和也, ITmedia]
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