News 2003年4月23日 08:17 PM 更新

国内出荷は1000万台を下回る――2002年度PC出荷実績

電子情報技術産業協会(JEITA)が2002年度(2002年4月−2003年3月)のPC出荷実績を発表。2000年度をピークに減少に転じていた国内出荷台数は、とうとう1000万台を下回ってしまった。アジアを中心に猛威を振るっているSARSも、今後のPC出荷に影響しそうだ

 電子情報技術産業協会(JEITA)は4月23日、2002年度(2002年4月−2003年3月)のPC出荷実績を発表した。国内・海外合わせた総出荷台数は、台数・金額ベースともに前年度比ダウンと振るわず、ビジネス市場/コンシューマ市場ともに、経済の先行きに対する不安感などが反映された結果となっている。

 今回発表された2002年度のPC出荷実績によると、輸出分を含む本体総出荷台数は1042万3000台で対前年度比92%のダウン。金額ベースでも1兆7042億円で同91%と大きく落ち込んでいる。内訳は、国内出荷台数が対前年度比92%の984万台、輸出が同86%の58万3000台で、国内・輸出ともに振るわなかった。

 国内出荷台数は、過去最高だった2000年度の1210万2000台をピークに減少に転じていたが、2002年度もこの流れに歯止めがかからず、とうとう1000万台を下回ってしまった。


年度別国内出荷台数の推移

 2002年度の国内出荷台数を半期ごとの推移で見ると、上半期(4−9月)は455万5000台(対前年同期比90%)と2ケタの大きな落ち込みをみせたが、下半期(10−3月)は528万5000台(対前年同期比94%)とやや落ち込み傾向は鈍化。だがJEITAでは当初、2002年度の国内出荷台数は1000万台の大台には到達すると予測していた。

 「後半やや持ち直したものの、結局はマイナス成長という結果に終わった。予測していた1000万台に到達しなかった原因は、ビジネス市場が思うほど伸びなかったことが大きい。特に、年明けから施行されたIT投資促進税制の効果が期待ほどなかったことが1−3月に伸びなかった要因の1つ。また、1−3月にサーバの価格競争があり、ビジネス系PCの単価ダウンに拍車をかけた」(JEITA)。

 2003年度のPC需要動向は一体どうなるのだろうか。PC需要も一段落したといわれ、これといったカンフル材も見当たらない状況だが、JEITAでは2003年度の国内出荷台数を、前年度比104%となる1020万台とプラス予測を示している。

 「戦争もイラクからシリアへといったきな臭い話が出ている。また、企業では売上げよりも利益という流れから投資対効果に厳しくなっているため、IT投資が慎重になっている。コンシューマ市場でも個人消費全般の低迷が続いているなど、全体的にマイナス材料が多い。だが、世界市場では横ばいというよりもむしろプラス傾向との予測が出ているので、期待感も含めて最終的に前年度比4%プラスの1020万台という出荷予測を出した」(JEITA)。

 JEITAが2003年度の需要拡大のキーワードとして挙げるのは、以下の項目だ。

  • ブロードバンド/モバイル環境の普及
  • IT投資促進税制
  • 大中小企業でのリプレース需要拡大
  • 本格オーディオビジュアル用途への利用拡大
  • 有望潜在顧客層の開拓

 「リプレース需要とあわせて、1人が数台のPCを使って業務効率を上げるといった用途も出てくる。コンシューマでは、AV需要のほかアクティブシニアや小中学生といった今後有望な購買層の獲得がポイント」(JEITA)。

SARSの影響も

 さらに今後、PC出荷への影響が懸念されるのが、アジアを中心に猛威を振るっている「重症急性呼吸器症候群(SARS)」だ。

 「PCは現在、中国が生産拠点となっているが、SARSの影響で中国全土が厳戒態勢となり工場の閉鎖が起こり始めており、部品不足が懸念され始めている。また、日本からの技術支援でも、これまでは現地まで行っていたのが、TV会議で済ませたりしている。各ベンダーはさまざまな対策を講じており、大ダメージには至らないだろうが、水面下ではかなり大変な状況になるだろう」(JEITA)。

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関連リンク
▼ 電子情報技術産業協会(JEITA)

[西坂真人, ITmedia]

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