News 2003年5月8日 00:34 AM 更新

GPUがコンピューティングの主役になる?

NVIDIAの社長兼CEOのJen-Hsun Huang氏がWinHECで講演、今後10年でグラフィックプロセッサ(GPU)がCPUと並ぶコンピューティングの主役になるとブチ上げた

 NVIDIAの社長兼CEOのJen-Hsun Huang氏が、Windows関連のハードウェア開発者が集まるWinHECの基調講演で、今後10年で大きくコンピュータ環境が変わり、グラフィックプロセッサ(GPU)がCPUと並んでコンピューティングの主役になるとブチ上げた。

 もっとも、彼がそうしたビジョンを掲げるのは今回が初めてではない。ジオメトリエンジンを内蔵する初のグラフィックチップとなったGeFORCE 256のリリース以来、Huang氏は常に、今後はCPUよりもGPUが重要な役割を持つプロセッサになってくる。主役の交代だと話してきた。


NVIDIAの社長兼CEOのJen-Hsun Huang氏

 もちろん、グラフィックチップベンダーの彼が、GPUの付加価値向上を狙ったプレゼンテーションを行うのは当然とも言える。しかし、まだ何ら技術的な要件が揃っていなかったGeFORCE 256の頃とは異なっており、Huang氏のビジョンも決して絵空事ではなくなってきている。

 MicrosoftはWindowsのグラフィックアーキテクチャを変更し、Windows 2000以降のネイティブドライバでは、GDI操作(Windowsの最も一般的な2Dグラフィック操作)をDirectDrawサーフェイスに行うように変更した。

 Longhornではこれがさらに推し進められ、Windowsの描画がすべてDirect3Dオブジェクトのテクスチャになる。デスクトップ背景はもちろん、ウィンドウの1つずつがポリゴンのサーフェイスとして処理される。これにより、将来的なユーザーインターフェイスデザインの自由度向上に繋げることができる。

 この結果、グラフィックチップからGDI操作を高速化する2Dアクセラレータが取り払われるようになるだろう。GDI操作はGPU内でPixel Shaderがエミュレートするようになる。

 その前段階として、DirectX 9の世代ではDirectShowの動画アクセラレーションのアーキテクチャが変更されている。従来のように専用の動画サーフェイスをグラフィックチップで作るのではなく、Pixel Shaderのプログラムが拡大補間や色補間、動画表示を行う。将来的には動画CODECの処理や、異なるCODEC間のトランスコードなどもGPUで行われる。

 Huang氏は「CPUはトラディショナルな情報処理を、GPUはストリームの処理を担当。分業化が進む」と話す。つまりインターネット上のコンテンツは、3Dにしろ動画にしろ、高品質・高性能を実現するためにGPUが今までよりも重要な存在になるというわけだ。


今後、メディアリッチなアプリケーションはCPUとGPUの組み合わせによって作られるとHuang氏。CPUのプログラムにはDirectX89のHLSLが用いられる

 最近はATI Technologiesに押され気味のNVIDIAだが、新製品のNV35で巻き返しを狙う。おそらく、今回の基調講演もその一環として、Huang氏自ら望んで登場してきたものと思われる。NVIDIAは来週、E3会場近くで新グラフィックチップNV35の発表を行う予定だ。

[本田雅一, ITmedia]

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