News 2003年5月22日 03:59 PM 更新

IBMのデスクトップ新ブランド「ThinkCentre」発表

日本IBMは5月22日、デスクトップPCの新しいブランド「ThinkCentre」を発表。全シリーズでチップセットにIntel 865Gを採用しながら、PC2700を搭載するなどコスト削減を重視している

 これまで、IBMのデスクトップPCブランドは「NetVista」であったが、2003年夏モデルからすべて「ThinkCentre」に変更される。これはノートからデスクトップまでのPC製品のブランドイメージを統一するため。IBMのデスクトップPCは2002年7月に発表されたNetVistaで黒基調のデザインに変更され、外見的なイメージはすでに統一されていたが、IBMの主なビジネスターゲットである企業クライアントのリプレース需要時期と、インテルのIntel 865シリーズ発表時期にあわせてブランドイメージを統一するため、IBMは2003年夏モデルでThinkCentreブランドを立ち上げた。

 ThinkCentreの立ち上げには、IT運用コストを抑えるためにIBMが現在展開している、使い勝手の向上と障害からの早期復旧を可能にする設計コンセプト「ThinkVantage」を積極的にアピールする狙いもある。実際、ThinkCentreの全製品でThinkVantageが反映されている。

 今回発表されたThinkCentre夏モデルは「ThinkCentre S50」「ThinkCentre A50」「ThinkCentre A50p」「ThinkCentre M50」の4シリーズ。すべてのモデルでIntel 865G搭載マザーを採用。Intel 865Gに統一した理由として、日本IBMは「企業の大量導入時に同じディスクイメージでセットアップが可能なため」と、企業を導入を重視した理由を挙げている。

 なお、Intel 865GはDDR400に対応しているが、ThinkCentreが搭載するメモリはすべてPC2700。DDR400を選択しなかった理由として、日本IBMは「コスト的な問題」と回答した。

ThinkCentre S50


 従来のNetVista M42 Slimの後継となる省スペースPC。CPUやインストールOSによって19モデルが用意されている。CPUはHyper-Threadingテクノロジー対応のPentium 4/2.80C GHzと2.40C GHz。それにCeleron/2.1GHz搭載モデルがある。また、カスタマイズモデルとして、きょう体、マザーボード(オンボードチップも含む)、FDD、ホイールマウスをベースにしてCPUやメモリ容量、HDD、光学ドライブなどを選択できる。

 S50シリーズのきょう体には、ドライバーなどの工具を使わずに、きょう体の開閉やドライブベイ、PCI拡張カードの交換ができる「ツールフリーきょう体設計」コンセプトが導入されている。また、HDDのデータセキュリティをハードウェア的に制御する「セキュリティチップ」をマザーボードに実装している。

 価格はCeleron搭載モデルで11万円台から、Pentium 4搭載モデルが13万円台からとなる。

ThinkCentre A50


 従来のNetVista A30の後継となる、コストパフォーマンスを重視したバリューモデル。CPUやインストールOSの違いで12モデルが用意されている。A50でもS50シリーズと同様、CPUやメモリ、HDD容量によってカスタマイズできる。

 きょう体は省スペース型のツールフリー設計。S50との違いは、搭載するCPUがFSB 533MHz対応のPentium 4/2.40B GHz、対応ネットワークがギガビットでなく10/100BASE-Tとなっている点だ。このため、A50シリーズではHyper-Threadingテクノロジーに対応できない。また、S50シリーズで実装されているセキュリティチップもA50では省略されている。

 価格はCeleron搭載モデルで8万円から、Pentium 4搭載モデルで10万円からとなる。

ThinkCentre M50


 従来のNetVista M42の後継となるハイエンドデスクトップシリーズ。ラインナップはカスタマイズモデルのみだが、CPUの選択肢としてPentium 4/3GHzが用意され、最大メモリ容量が4GバイトとS50/A50より強力なパワーをもたせた構成が可能だ。

 なお、M50はAGPスロットを持っているが、カスタマイズできるパーツとしてビデオカードが用意されていない。3D描画を重視する場合は、ユーザーがビデオカードを調達する必要がある。

 きょう体はデスクトップフォームながら、ドライブベイがオープン×3、クローズ×1と充実。S50/A50で採用されたツールフリーコンセプトが採用されているので、ドライバーなしできょう体の開閉やドライブなどの交換できる。また、マザーボードにはセキュリティチップが実装されている。

 価格はCPUにPentium 4/2.40B GHzを選択したモデルで12万円台から、Pentium 4/3 GHzを選択したモデルで19万円前半から構成できる。

ThinkCentre A50


 従来のNetVista A30pの後継となるハイエンドタワー型シリーズ。M50同様、カスタマイズモデルのみが用意されている。マザーにはAGPスロットも実装しているが、カスタマイズの選択肢としてビデオカードが用意されていないのはM50と同じだ。

 A50pはタワー型のハイエンド志向モデルであるが、M50のエントリーモデルという位置付けになっている。そのため、CPUの選択肢にPentium 4/3GHzはなく、10/100BASE対応、セキュリティチップが実装されていないなど、M50と比べてスペックが抑えられている。

 きょう体には、5インチベイがオープンで2基、3.5インチベイがオープンで2基、シャドウベイが1基用意されている。ドライバーなしでメンテナンスができるツールフリー設計がA50pのきょう体でも反映されている。

 価格はPentium 4/2.40B GHz選択モデルで12万円台から、Pentium 4/2.80C GHz選択モデルで17万円台から購入できる。

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[長浜和也, ITmedia]

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