News 2003年5月28日 11:06 PM 更新

「ソニーショック」への回答は「商品力」と「第2次構造改革」

先日の発表で減収減益となったソニーの決算内容は、当事者以上に、日本の製造業界に大きな衝撃を与えた。このソニーショックを払拭すべく行われた「2003年経営方針」で示されたのは、高収益事業へのリソース集中と魅力ある「商品力」をもった新製品だった

 ソニーグループは5月28日、2006年度に向けての経営方針をまとめた「ソニーグループ2003年度経営方針」の説明会を開催した。


ソニーグループ会長 兼 CEOの出井伸之氏。「時代の変化がソニーの改革を追い越していくのではないか、と不安になるときがある」

 今回発表された「経営方針」で、具体的方策として述べられたのは、組織運営の改善を目指す「オペレーション」、利益率の高い事業にリソースを集中させる「構造改革」、台頭する台湾、中国の製品に対抗する競争力を持たせる「商品力」の3本柱。

 オペレーションの強化策としては、これまで年間単位で行ってきた予算管理を四半期ごとに実施。また、これまでグループCEOによって運営されてきた各ネットワークカンパニーに、それぞれCFOを設置。より細かい経営運営が行えるように組織改変を行った。

 「構造改革」は、高利益事業にリソースを集中し、赤字事業を整理していく「リストラ」施策。リストラ施策は、1999年から2002年にかけて「第1次構造改革」と称してすでに行われている。そのときの改革の成果は「製造事業所は70から55へ、在庫も37%圧縮、人員は19%の削減を実現。計画を1年前倒しで達成できた」(ソニーグループ社長 兼グループCOO 安藤国威氏)であったことを明らかにした。

 これから行われる「第2次構造改革」の目標は、2006年度時点で営業利益率10%の達成。「そのために現在100を越える事業カテゴリーを10%削減、固定資産も我々が持てるキャパシティーを評価し、それを超える分は処分していく」(安藤氏)。

 2003年単年度では、1300億円をかけて固定費600億円削減を目指す。このうち、「300億円の人件関連固定費を削減する」(安藤氏)と人材関連で50%のウェイトを占めているのが注目される。

 「商品力増加」を実現する具体的施策はネットワークカンパニーごとに紹介された。この中で、自社生産を止めて、全面的に外部から調達している、フラットパネルディスプレイ事業について、出井氏が「液晶テレビ市場の伸びを考えると、自社開発のための投資を行う時期がきていると考えている」発言した。

 この件については、出井発言の直後に広報サイドから「自社開発のための投資を行うか、検討を開始した」と訂正がなされたが、出井氏は「いつかはやるのだから、検討を開始したでも、投資を行うでも結局は同じ」と発言。ソニーが液晶パネル事業に再参入する可能性が高いことを示唆した。

 各ネットワークカンパニーからは、これから投入が予定されている新しい製品も一部紹介された。注目を集めたのは、PSX(詳細は別記事参照)と、New CLIE。PSXでは、実績のあるゲームデバイスと、ソニーの高いエレクトロニクス技術を融合させた「魅力ある家電」(出井氏)を目指している。


New CLIEのモックを紹介するソニーグループ副社長 高篠静雄氏。New CLIEはモックが紹介されたのみ。長年にわたって蓄積された携帯AV機器と、従来のCLIEで培ってきたモバイルITの融合を目指した製品となる予定。「New CLIEで新しいライフスタイルを創造する」(高篠氏)


ソニーグループ副社長 久夛良木健氏は、PSXだけでなく、来月投入予定のPS2「SCPH-50000」も紹介。DVD±RWドライブ搭載、静穏重視設計といった新機軸をアピール。また、容量1.8Gバイトの再生専用メディア「UMD」(Universal Media Disc)も登場。DV並みの画像を最長4時間保存でき、セキュアな再生メディアであることをアピールした

 説明会では、これからの半導体開発、生産設備に関する投資計画も紹介された。2003年度には90ナノプロセスチップの生産に320億円、CCDなどの生産に700億円を投資、また、2005年度にかけて65ナノプロセスチップの生産に2000億円、現在明らかに出来ない製品開発に2000億円と、総額5000億円に上る壮大な計画が明らかにされた。


現在拡張が進められている長崎工場。Fab1、Fab2で構成されているが、9000平方メートルのFab1で、PS2に使われる150〜180ナノプロセスチップの製造を、1万平方メートルのFab2(2階)で新しいPS2、PSXに使われる90〜150ナノプロセスチップ、Fab2(1階)で、12インチの大型ウェハーと65ナノプロセスチップの製造を予定している

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[長浜和也, ITmedia]

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