News 2003年5月29日 11:59 PM 更新

「合法的DVDダビング」の需要はどれくらい?――エッジ、「CloneDVD」発表

エッジが高速ダビングを売り物にした「CloneDVD」を発表した。2時間分のDVD-Videoがわずか40−50分で複製可能だという。都内の焼き肉屋という異例の場所で催された製品説明会は満員の大盛況だった。ただ、この手のソフトには、煮ても焼いても食えない問題が1つだけある

 エッジは5月29日、DVDダビングソフト「CloneDVD」を7月4日に発売すると発表した。Windows版のみで、価格は1万2800円。同日都内で、報道関係者を集めたCloneDVD製品説明会が行われた。


DVDダビングソフト「CloneDVD」

 CloneDVDは、DVD-Videoをリッピングして記録型DVDメディアやHDDに複製できるソフト。CDやDVD-ROMのコピー、映像編集機能などは搭載せず、DVD-Videoのダビング(バックアップ)に特化した機能を備えた。

 「見やすいアイコンボタンとウィザード形式を採用。CloneDVD側で最適な値を自動で設定するため、初心者ユーザーでも簡単にDVDダビングを行える」(同社)。


アイコンボタンを使った分りやすいインタフェース。ウィザード形式で簡単にDVDダビングが可能(写真は開発中の英語版)

 DVDディスク全体の複製だけでなく、指定トラックだけを抽出したり、字幕や音声を指定して収録することも可能。「自分の視聴システムがDTSに対応していない時はDTS音声を削除したり、日本語音声や英語字幕などは必要ないという時は指定して収録データから除けば、ファイルサイズを小さくしたり、画質を向上させることができる」(同社)。

 また、VOBファイルからのディスク作成/イメージファイル作成や、イメージファイルの書き込み、VOBファイルからDVDメディアへの直接書き込みにも対応している。出力可能な記録型DVDメディアは、DVD-R/RWとDVD+R/RW。DVD-RAMには対応していない。

再エンコードしない収録方式で実現した“高速ダビング”と“高画質”

 CloneDVDの最大の特徴は、“ダビング時間の速さ”だ。

 DVD-Videoのバックアップ/複製をうたう従来のソフトは、2時間分のDVD-Videoをダビングするのに3−9時間といった長時間を必要とした。これは、DVD複製時にMPEG-2データの再エンコードを行ったり、画面キャプチャしたものを変換するといった「エンコード作業」を同時に行っていたためだ。

 CloneDVDでは、記録ビットレートを下げることでファイルサイズを小さくする「トランスコーディング方式」を採用することで、高速な複製を可能にした。

 「CloneDVDは従来のエンコード方式ではなく、ビットレートをディスク容量にあわせて最適化する独自の新開発エンジンを採用した。画質を最適な状態に保ったまま、データサイズを小さくできる。これにより、2時間分のDVD-Videoのダビングが、変換から書き込みまでわずか40−50分でできる」(同社)。


数時間かかっていたDVD-Videoのダビングが、わずか40−50分で可能。「再エンコードしないので、ダビング後も高画質をキープできる」(同社)

「合法的DVDダビング」の需要はどれくらいある?

 さて、「DVDの簡単・高速ダビング」をうたうCloneDVDだが、DVDコピーをめぐる問題は、いまや全世界レベルで話題となっている。ZDNetでも、DVDコピーツールメーカーの321 Studiosと米映画業界との法廷闘争などを、昨年からお伝えしている(2002年4月同年12月2003年5月の記事を参照)。

 もっともCloneDVDは、従来の国産DVDダビングソフトと同様に「CSS(Content Scrambling System)」と呼ばれるデジタルコピー防止の暗号技術を使ったDVD-Videoには対応していない。ところが、市販のDVDソフトの9割近くがこのCSSを施している。ユーザーが“正当な使い方”をする限り、CloneDVDの用途はわずかなCSS非対応の市販DVDソフトのバックアップや、個人で作成したDVD-Videoのダビングぐらいしかないのだ。

 市販DVDのコピー問題について同社は「ユーザーには、自分のDVDが紛失したり破損した場合に備えてバックアップを取るという権利はあると認識している。CSSのプロテクトを外すという行為は違法だが、個人利用目的でCSS非対応のDVDを複製することは違法ではない」とコメントする。

 そもそもダビングできるDVDが少ないにもかかわらず、この手のソフトが売れる背景には、フリーソフトなどで出回っているDVDリッピングソフトやCSSプロテクト解除ソフトなどによって、「CSS対応のDVDはダビングできません」という但し書きが有名無実化するということが“暗黙の了解”となっているからだ。

 「DVDといっしょにお肉も焼いちゃおう」と題して行われた今回のプレスカンファレンスは、新製品発表会の席としては異例の焼肉屋で行われた。無論、DVDコピー問題などを、焼肉で“煙に巻こう”という意図など、同社にはなかったのだろうけれども。


発表会が行われたのは、手ごろな値段で本格炭火焼肉が味わえる全国チェーン「牛角」の小伝馬町店。店内を埋め尽くさんばかりの報道陣(じゃない人もチラホラ)が早く“焼きたかった”のは、おそらくDVDじゃなかったということは、右の写真を見れば分かる(左は発表会前)

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▼ エッジ

[西坂真人, ITmedia]

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