News 2003年6月25日 04:03 PM 更新

Microsoft社員、自社製品の再販でまた逮捕

Microsoftの社員向け販売システムを悪用し利益を得ていたとして、同社の元Windows開発プロジェクトコーディネーターが逮捕された。Microsoftでは、昨年12月にも類似の逮捕者が出ている。

 6月23日、米Microsoftの元社員が逮捕された。元社員はMicrosoftの社員向け販売システムを使いソフトウェアを発注し、それを販売して利益を得ていたとされている。

 逮捕されたのはワシントン州ベルビュー在住のリチャード・グレッグ容疑者。グレッグ容疑者は1700万ドル相当のソフトウェアを発注し、それを業務目的に利用するのではなく、販売もしくは処分することで利益を得たとして、米連邦地検に告訴された。

 グレッグ容疑者は先週、62件のメールおよびコンピュータ詐欺で起訴されている。同容疑者は23日、無罪を主張して、審理まで条件付き保釈が認められている、と米連邦地検の役員補佐、ジョン・ハーティング氏は述べている。

 グレッグ容疑者はMicrosoftのレドモンド本社でWindows開発のプロジェクトコーディネーターとして勤務していた。同容疑者は昨年12月にMicrosoftを解雇されているが、同時期に別のMicrosoft社員、ダニエル・フォイスナー氏が解雇され、同様の容疑で逮捕されている。

 フォイスナー氏は900万ドル相当のMicrosoft製ソフトウェアを自分の利益取得を目的として販売したとして起訴された。20年の懲役という処罰に直面し、フォイスナー氏は2月7日、車の不凍液を飲み、死亡したと伝えられている

 グレッグ容疑者とフォイスナー氏は別件であるが、雇用者と状況は酷似している、とハーティング氏。Microsoft内部で行われた詐欺行為に対する調査は進んでいるが、現在のところ、ほかには立件されていないと同氏は述べた。

 グレッグ容疑者もフォイスナー氏も“MS Market”として知られているMicrosoft内部の製品発注システムを悪用したとされている。“MS Market”は資格を持つ従業員が業務目的であればMicrosoftソフトウェアおよびハードウェアを無償で発注できるシステムだという。

 Microsoftは事件以降、発注システムを変更し、詐欺的行為は行われなくなったと確信している、Microsoft広報担当者のステイシー・ドレイク氏は述べている。ただし、2002年以前の行為が立件されることはあるかもしれない、と同氏は付け加えた。

[Joris Evers, IDG News Service]