News 2003年7月17日 02:20 AM 更新

WIRELESS JAPAN 2003の展示会場で「ケータイ」以外に気になったあれやこれ

ムービーメールが幅を利かせる展示会場。しかし、携帯電話に興味がないマイノリティでも楽しめる展示がないわけでもない。とはいっても「おねーさん」たちのことではないことは、皆さんがクリックする前にあらかじめ断っておこう。

 WIRELESS JAPAN 2003の展示ブースは、もちろんワイヤレスとモバイル関連の製品が目白押し。注目の展示製品については、すでに記事で紹介されているが、それ以外にも気になった製品を集めてみた。


無線LANコントローラチップベンダーのアセロスコミュニケーションズからは、IEEE 802.11a+b/gに対応したアクセスポイント「AR5002AP-2X 802.11a+b/g」が参考展示されていた。2Xやa+b/gという型番が示すとおり、11aデータ通信と、11b、もしくは11gデータ通信が「同時に」行える、なかなかのスグレモノだ


NECのブースでは、デスクトップPCで採用されている「SoundVu」テクノロジーを、携帯電話用の小型液晶ディスプレイに応用したモジュールが参考出展されていた。SoundVuテクノロジーは、液晶パネルをフラットパネルスピーカーとして利用する技術。小型化を実現するために、DMAというモジュールを日本で新たに開発している。デスクトップPCでは、音場再現性と音質の高さがメリットとされているが、小型端末ではスピーカーユニットが液晶パネルと一緒にできることで、デザイン設計の自由度が高くなる点が注目される



NECのブースには、車載システムベンダーとしてカンファレンスにも登場したデンソーのセンサー情報取得システムも参考展示されていた。NECによると、車の状態に関するデータの取得に関しては、非公開情報であったり、データフォーマットが標準化されていないなど、さまざまなハードルがあるため、IT関連ベンダーがこれらの情報を利用したシステムを自力で開発するのは、非常に難しいというのが実情らしい


mobilecastで展示されていた超高精彩小型液晶ディスプレイは、RGBそれぞれにカラーフィルタを用意していた従来の液晶パネルとは異なり、パネル下部に用意したRGBそれぞれのバックライトを点灯して液晶パネル全体を照射する。この方式では、Rを表示したい部分はRのバックライトが照射されたときにシャッターを開く仕組みになっている。同じように、RGBを短時間に光らせてシャッターを操作すると、残像によって色がついて見えるようになる。フィルタを使わず、照射面積も増えるので、輝度が明るくなり精細な画像が表示される


車載DVDシアターシステムとして、EQUATOR(日本代理店はイノテック電子システム部)のメディアプロセッサをデコーダチップとして利用したサンプルシステム。ビデオ圧縮技術として、On2 Technology(日本代理店はメディア・クルーズ・ソリューションズ)が開発した「VP6コーデック」を利用している。これはまったくの独自仕様によるコーデック方式で、外部サーバから低いスループットの無線ネットワーク経由でムービーコンテンツをダウンロードするため、500Kbpsという低ビットレートでもDVDクオリティを表示できるのが特徴だ



「ワイヤレス関連」からちょっと離れるが、防水だけでなく、防塵も実現したPCが展示されていたのでここで紹介しておこう。デューティ環境でも使えるPCはPanasonicを始めとしていくつか市場に出ているが、いずれも耐衝撃性と防水性は施されているのみ。実をいうとPCに防塵性を施すのは意外と難しいのだ。これはPCの冷却ではほとんどの場合、外気を利用した空冷を採用しているため、筐体を密閉するができないからだ。展示されていたPCは筐体をヒートシンクにしてしまい、筐体全体で放熱する方法をとっている

[長浜和也, ITmedia]

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