News | 2003年7月28日 07:29 PM 更新 |
米Microsoftがインターネット接続ソフト「MSN 8」の次期版に取り組んでいるが、この次期版はいくつかの新機能を備え、初めて世界中で販売されることになる。同社幹部が明らかにした。
この製品は、Microsoft社内で「MSN Premium」「MSN 9」と呼ばれており、年内発売予定でブロードバンドユーザーをターゲットにしているとMSNのパーソナルサービス&ビジネス部門責任者、ユースフ・メヘディ氏は7月24日、取材に応えて語った。
Microsoftはまた、Apple Computerの「iTunes Music Store」に対抗するオンライン音楽サービスの立ち上げも考えているとメヘディ氏。このサービスは、Microsoftが現在pressplayとの提携の下で提供しているサービスをリプレースすることになるだろう。
しかし音楽サービス計画は――これを「計画」と呼べるならの話だが――まだ初期の段階にあるとメヘディ氏は語る。Microsoft会長兼ソフトアーキテクトのビル・ゲイツ氏がこの日、音楽サービスを利益の出るものだとは思っていないと語ったことも、そのことを示している。
「音楽サービスはプラットフォームが提供すべき機能ではあるが、なにがしかの利益が出るものではないだろう」とゲイツ氏はレドモンド本社で開かれた年次アナリスト向け説明会で、質問に答えて語った。
Microsoftは現在、MSN 8をスペイン、英国、カナダ、日本、米国など一部の国で販売している。米国の利用料金は、月額9ドル95セントまたは年額79ドル95セントで、スパム・ウイルス対策、ペアレンタル・コントロール、オンライン決済が利用できるとMSNのサイトには書かれている。
「MSN 9は、初めて世界中で展開する会員制サービスとなる」とMSNのグループプロダクトマネジャー、リサ・ガリー氏は語る。
同ソフトの新機能には、ポップアップ広告遮断機能、MSN Messengerの画像共有機能の改善、「Outlook Connector」などがある。Outlook Connectorは、OutlookをMSNの電子メール、および企業の電子メールシステムと連係させるツールで、1つのメールクライアントにさまざまな受信ボックスを表示したり、予定表を結合したり、共有したりできるとMicrosoftは説明している。
同社はブロードバンド接続プロバイダーと提携してMSNソフトを配布し、さらに同ソフトの直販も行っている。この最新の「bring your own access」(BYOA)モデルは、ダイヤルアップ会員が減り、ユーザーのブロードバンド移行が進むにつれ、Microsoftにとっても、主なライバルのAmerica Onlineにとっても重要なものとなっている。
MSNの会員数は公称860万人、その大半が米国のダイヤルアップ接続利用者だ。「いずれブロードバンドへの移行が進み、多くのユーザーが当社の有料サービス会員となるだろう」とガリー氏は語る。
既存のMSNの有料サービスには、Hotmail Extra Storageなどがある。このサービスは年額19ドル95セントで、Hotmailユーザーに10Mバイトの電子メールスペースを提供している。
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[Joris Evers, IDG News Service]