News 2003年7月29日 10:00 AM 更新

AMIBIOS8――BIOSの新しい可能性(1/2)

最近、PCユーザーがBIOSを話題にする機会が減った。だが、PCからBIOSが不要になったわけではない。いやむしろ、意外なところにその活躍の場を広げつつある。BIOSが今どうなっているのか――BIOSの名門、American Megatrends(AMIBIOS)の日本法人に話を聞いた。

変容するBIOSの役割

 一昔前、マニアックなPCユーザーにとって「BIOSの設定」と「マザーボードのジャンパーセッティング」は、腕の見せ所だった。BIOSベンダーも数社が機能強化を競い合い、そのBIOSベンダー選びはヘビーユーザーにとって、格好の会話の種になった。当時(10年ぐらい前のことだ)、こうしたヘビーユーザー御用達のBIOSの一つとして君臨していたのが、American Megatrendsの「AMIBIOS」だ。

 そのBIOSに受難の時代が訪れたのは、1997〜98年ぐらいのことだっただろうか。ちょうどPCがコモディティ化への道を歩み始めた頃のことだ。

 BIOS(Basic Input Output System)は本来、PCに接続されているキーボードやディスク、グラフィックスといったデバイスをコントロールするローレベルのプログラム群で、PCの起動時にハードウェアを初期化するといった重要な役割を持っている。

 だが、「より簡単に」という流れの中で、BIOSのようなローレベルのソフトをダイレクトに触るようなユーザーは減っていった。OSの高機能化やBIOS自体の設定自動化がそれに拍車をかけた。最近のコンシューマーユーザーの中には、BIOSの設定画面を見たことがないという人すら少なくないだろう。マザーボードがジャンパーレスになったのと同じように、それはPCのコモディティ化という意味で、象徴的なことだった。

 もちろん、BIOSベンダーとて、手をこまねいていたわけではない。Intelアーキテクチャーを取る限り、BIOS自体は不可欠な存在だからだ。「BIOSは確かに舞台裏に引っ込んだかもしれない。しかしそれなら舞台裏なりの存在感を出そう。BIOSベンダーの方向転換がその頃から始まった」。そう語るのは、アメリカンメガトレンド日本法人の平岡正明氏(ソリューション開発部BIOSグループ)だ。

 では具体的にどう変わったのか。「以前のBIOSは、エンドユーザーにどう見せるかという点に力点を置いて開発していた。しかし、方向転換後は“開発”、つまりPCを実際に作る方が、どれだけラクにBIOSを組み込めるのかということに力点を置くようになった」。平岡氏はそう説明する。


アメリカンメガトレンド ソリューション開発部の平岡正明氏

拡張性とモジュラリティ――AMIBIOS8の二つの特徴

 この新しいBIOSのあり方を具体的に示すのが、AMIBIOSの最新バージョン「AMIBIOS8」だ。その特徴を一言で言えば、「拡張性」と「モジュラリティ」だろう。

 まず「拡張性」では、例えば豊富なチップセットサポートがある。チップセットはIntel製が今や主流になったが、といって同社製だけをサポートするのでは、PCメーカーやユーザーの選択の自由を奪う。だから、AMIBIOSでは台湾ベンダー製を含め、できるだけ広範囲のチップセットに対応していくという方針を取っている。AMIBIOS8のサポートリストには、AMD OpteronやNVIDIA nForce2をはじめ、ServerWorks、Ali、SiS、VIAなど、主要チップセットベンダーのほとんどが並んでいる。新しいデバイスのサポートにも積極的だ。

 しかし、より驚かされるのは、二つ目の特徴――モジュラリティだ。

 通常、BIOSは、一つのアーキテクチャー、一つの製品プロジェクトといったレベルで、まったくのゼロから組み込む作業を行う。ソースコードをもらったら、スクラッチでBIOSを書くといったやり方が過去にはごく当たり前に行われてきた。当然、一つのプロジェクトがクローズすると、次のプロジェクトではまたBIOSをイチから書き直さなければならないといったことがよくあった。

 ところが、AMIBIOS8では、各機能を「モジュール」というコンポーネント型の構造にしている。同社ではこれを「eModule」と名付けており、例えば、ノースブリッジ、サウスブリッジ、ACPI、USBのeModuleといった具合になっている。だから、あるシステムにUSBやACPIなどの機能を追加しようとした場合、BIOSはゼロから書き直すのではなく、それに必要なモジュールを追加する、といった形で行うことができる。


eModuleの仕組み

[中川純一&北川達也, ITmedia]

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