News | 2003年8月20日 10:57 PM 更新 |
日立製作所は8月20日、専用モニターとチューナーユニットを組み合わせでさまざまなメディア/用途に対応するプラズマ/液晶TVの新製品「WOOO 5000シリーズ」を発表した。9月12日から順次発売する。
WOOO 5000シリーズは、プラズマTV用モニターとして32V/37V/42V/50V型の4機種、液晶TV用モニターとして28V/32V型の2機種が用意され、チューナーユニット「AVCステーション」4機種との組み合わせで合計24通りのラインアップから選べる。モニター全機種にハイビジョンパネルを採用したほか、AVCステーション4機種中3機種が地上デジタルを含むすべてのデジタル放送に対応した。(ラインアップ、発売日、価格は別記事を参照)
WOOOシリーズといえば、やはりトップシェアを誇る「プラズマTV」。今回の新製品群でも、注目はそこに集まる。今回のプラズマTV新ラインアップには、富士通日立プラズマディスプレイが先日8月18日に発表した第3世代ALISパネル「アドバンスドALISパネル」が採用された。
新開発の放電ガスと青色蛍光体の改善で発光効率を高めたこの新パネルによって、ピーク輝度が42V型で業界トップクラスの1100カンデラ/平方メートル(32V/37Vは1000カンデラ/平方メートル)、白色色温度が1万2000Kと高輝度・高色温度を実現。さらに、電極を交互に発光させるために蛍光体が劣化しにくいALIS方式のメリットによって、TV表示でのパネル寿命(輝度40%到達予想時間)も6万時間以上と長寿命を達成している。
液晶TVも大画面をラインアップ
昨年12月に20V型で液晶TV市場に本格参入(別記事を参照)した同社だが、今回のラインアップでは大画面TV市場のボリュームゾーンである32V型と28V型を投入してきた。
パネルには、日立ディスプレイズのTV用Advanced Super-IPS方式TFT液晶モジュールを使った「アドバンスドスーパーピュアカラー液晶」に、新開発の「ワイドビューフィルター」を組み合わせ、液晶TVの弱点だった視野角を大幅に改善。応答速度を向上させる「オーバードライブ回路」や同社独自の「スーパーインパルス方式」も搭載し、やはり液晶TVが苦手とされてきた動画表示性能を大幅に向上させている。
全機種ハイビジョン対応は地上デジタル放送への布石
プラズマ/液晶の両方で新開発パネルが用意されたわけだが、そのすべてがハイビジョン対応となっている。その狙いはもちろん、今年末に放送が開始される「地上デジタル放送」だ。
従来からWOOOシリーズはチューナーユニットをモニターに組み込まずに別体で用意していたが、モニターとチューナーユニットとは必ずセットになっていた。今回の新製品は、アナログ地上波放送のみのタイプからアナログ/デジタル放送+HDDレコーダ内蔵タイプまで4種類のチューナーユニット「AVCステーション」が用意され、それをプラズマ/液晶モニターと自由に組み合わせることが可能になった。
もっとも安い組み合わせがアナログ地上波内蔵タイプ+32V型プラズマTVで56万円、もっとも高い組み合わせがHDDレコーダ内蔵タイプ+50V型プラズマTVで113万円となる。
AVCステーション最上位機種のAVC-HR5000には、地上デジタルのほかBS/110度CSといったデジタル放送、アナログ地上波放送のチューナーが内蔵され、それら放送メディアすべてを録画できる160GバイトHDD搭載のHDDレコーダが搭載されている。「地上デジタルのハイビジョン放送まで録画できるHDDレコーダを搭載したフラットパネルTVは業界初。160Gバイトの大容量HDDに、最大14時間のハイビジョン映像を録画できる」(同社)
新WOOOシリーズは日立グループの総力を結集
プラズマTV用パネルは富士通日立プラズマディスプレイから、液晶TV用パネルは日立ディスプレイズから、HDDレコーダ用の160GバイトHDDは日立グローバルストレージテクノロジーズから、映像処理エンジン「アドバンスドDIPP(デジタル・イメージ・ピクセル・プロセッサー)」は自社開発と、主要な構成部品のほとんどを日立グループ内でまかなっているのもWOOOシリーズの特徴だ。
「パネルもエンジンも“MADE BY HITACHI”が新しいWOOOの商品戦略。日立グループのコアコンピタンスがWOOOに息づいている」(同社)。
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[西坂真人, ITmedia]
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