News:ニュース速報 2003年9月10日 07:22 PM 更新

ナノ材料の自己組織化による有機トランジスタ製法を開発

日立製作所と産業技術総合研究所、光産業技術振興協会は、ナノ材料の自己組織化現象を利用してトランジスタを形成する方法の開発に成功したと発表した。

 日立製作所と産業技術総合研究所(産総研)、光産業技術振興協会(光協会)は9月10日、ナノ材料の自己組織化現象を利用してトランジスタを形成する方法の開発に成功したと発表した。基板上に微細な有機トランジスタを効率よく生産でき、超薄型のシートディスプレイの量産に道を開くとしている。

 自己組織化現象は、ナノ材料が自然に集まって構造形成するもの。これを活用し、印刷製法で最小5μメートル以下の素子構造を印刷できる有機トランジスタ製法を開発した。

 従来の無機材料を使用した薄膜トランジスタ製法ではフォトリソグラフィ工程が5回以上必要で、生産性が比較的低い。新製法ならフォトリソグラフィ工程が不要なため量産に適しており、素子の微細化も可能という。このため、ディスプレイとスイッチ素子回路を一体化する必要があるシートディスプレイの大量生産に適していると見ている。

 今後はプロセスの微細化を進め、シートディスプレイ向け半導体の量産プロセス確立を目指す。

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