News 2003年9月11日 11:05 PM 更新

「目指すは一家に一台」――三洋電機、ホーム向けプロジェクター新製品

三洋電機が、ホームユース向け液晶プロジェクター「LP-Z2」を発表。売れ筋だった前モデルで好評の機能をさらにブラッシュアップし、価格は従来並みに抑えた。

 三洋電機は9月11日、業界最高レベルのレンズ上下左右シフト(画面移動範囲)量を可能にしたホームユース向け液晶プロジェクター「LP-Z2」を10月21日から発売する。価格は26万8000円。


業界最高シフト量を実現した液晶プロジェクター「LP-Z2」

 LP-Z2は、家庭用普及モデルとして昨年10月に発売した「LP-Z1」の後継モデル。LP-Z1はホームユース向け液晶プロジェクター市場で発売から現在まで10カ月連続トップシェアを記録するなど、高い人気を誇っている。

 「LP-Z1はAV専門誌などでもベストバイに選ばれるなど、専門家からの評価も高かった。実売17万〜18万円前後という普及価格に加えて、光学的に画面位置を補正できるレンズ上下左右シフト、DVDなど映画視聴に適したワイド画面、高いコントラスト比など高画質設計、短焦点レンズなど、競合製品と比べて性能面でのアドバンテージも大きく、コストパフォーマンスの高さが人気の秘密だった」(同社)


LP-Z2は、前モデル同様に光学式のレンズ上下左右シフト機能を装備

 LP-Z2は、前モデルで特に評価の高かったレンズ上下左右シフトの量をアップ。上下で最大2画面分、左右で最大1画面分の画面移動を可能にした。光学的レンズシフトと広範囲に及ぶ画面移動量によって、床置き、天吊り時、斜めからの投写でも画質をほとんど損なうことなく設置できるほか、新たに壁掛け設置にも対応した。


光学的にレンズを上下左右にシフトするため、電子的な補正技術に比べて画質の劣化が圧倒的に少ない。左右で最大1画面分の移動ができるため、斜めからも投写可能


45度のミラーが付いた壁掛け設置キットを使うことで、壁に密着したスタイルで投写できる。「壁掛けスタイルでの投写は業界初」(同社)

 また、入力信号に応じてランプ光量を自動制御する「リアクトイメージモード」や、光学的に光量を調節する「レンズアイリス(絞り)機構」、ランプ光の散乱を補償する「ハイコントラストオプティカルシステム」を高画質機能を搭載。コントラスト比は業界トップクラスの1300対1(前モデルは800対1)となり、階調再現性に富んだ深みのある映像表現が可能になった。

 約276万画素(1280×720ピクセル×3)のハイビジョン対応0.7インチ高精細ワイドTFT液晶パネルを搭載。DVD(480i/480p)以外にハイビジョン画像(1080i/720p)を含めた高画質コンテンツを楽しむことができる。大口径空冷ファンの採用などで、動作音は24デシベル(シアターブラックモード時)と静音設計に仕上がっている。


なめらかで丸みのあるフォルムや、使わない時に閉じることでデザイン性向上のほかレンズ保護にも役立つスライドモーションドアなど、前モデルから好評だったボディデザインを継承

 「ホームユースプロジェクターの市場は大きく成長しており、2005年には20万台にまで市場が拡大すると予測している。市場拡大の背景には、DVDの普及でホームシアターが身近になってきている点と、BSデジタルや地上デジタルなど大画面で見たくなる放送コンテンツが増えてきている点、そしてビジネスシーンでのデータプロジェクターの普及が、プロジェクター自体の認識を高めている。競争が激化するホームユース向けで、当社のLP-Z1はトップシェアを続けている。LP-Z1から性能を大幅に向上させ、価格は従来並みに抑えたLP-Z2によって、“一家に一台”という意気込みで販売活動を展開していく」(同社ビジネスユニットリーダーの佐藤信一氏)

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[西坂真人, ITmedia]

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