News:ニュース速報 2003年9月18日 06:30 PM 更新

沖電気、SOI-CMOS LSIの量産化に成功


 沖電気工業は9月18日、SOI(シリコンオンインシュレータ)-CMOS技術を活用したLSIの量産化に成功したと発表した。低消費電力やアナログ・デジタル回路の1チップ化が容易といったメリットがある。

 開発したのは、世界で初めてSOI-CMOS技術を適用した長波標準電波受信LSI「ML6190A」。電波時計などに搭載して自動的に時刻を補正する。高感度ながら消費電力を従来の3分の1以下に低減したのが特徴。9月19日からサンプル出荷する。サンプル価格は500円。12月から月産20万個規模で量産する計画だ。

 SOI-CMOS技術は、シリコン基板の代わりに絶縁膜が埋め込まれたSOI基板を利用する。絶縁膜上にトランジスタを形成するため消費電力を低減できる上、トランジスタが絶縁膜で完全に分離されるため、デジタル回路とアナログ回路を1チップ化してもノイズの影響が少ない。このためSOI-CMOS技術は注目されてきたが、民生品で量産に成功した例はなかったという。

 今後は受信回路とデコーダ回路やドライバ回路、時計用LSIなどとの1チップ化でファミリー展開し、AV機器やPCなどの用途向けにも販売していく。

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