| News:ニュース速報 | 2003年9月19日 07:20 PM 更新 |
NECは9月19日、カーボンナノチューブ(CNT)トランジスタを安定的に製造する技術を開発したと発表した。この技術で製造したCNTトランジスタはシリコンMOSトランジスタと比べ高い潜在性能があることを実証、2010年ごろの実用化を目指す。

従来のCNTトランジスタ製造法ではシリコン基板にCNTを塗布する方式だったが、品質が劣化する欠点があった。NECは、シリコン基板上に形成した触媒から任意の位置にCNTを成長させることができる「触媒化学気相成長法」を開発するなどして、安定的な製造を可能にした。
試作したCNTトランジスタを評価したところ、高速動作の指標となる相互コンダクタンスがシリコンMOSトランジスタの10倍あることが分かった。ソース・ゲート間の寄生抵抗の影響を除くと20倍に達するという。
NECは「CNTトランジスタは将来の高性能デバイスとして大きな可能性を秘めている」としており、製造プロセスの改良などを進める。
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