News | 2003年10月8日 05:39 PM 更新 |
東芝はXアーキテクチャーと呼ばれる新しい配線技術を用いた、実際に動作するテストチップの製造に初めて成功した。この技術では、現在使われている水平、垂直の配線だけではなく、対角線の配線も行う。
「X Initiative」コンソーシアムが10月7日に公開した説明によれば、Xアーキテクチャーは従来の格子状マンハッタンデザインと比べ、配線長が短くなり、配線層間のコネクタ、ビアが少なくなるため、チップ性能が改善されるという。
同コンソーシアムによれば、この技術は大量生産に適しており、2004年に最初の製品レベルのチップが登場する予定だという。
テストチップは5層配線で、90ナノメートルのプロセス技術を使っている。この製造プロセスは、商用チップとしては現時点で最も先進的なものである。
発表資料によれば、Xアーキテクチャーを実装したチップとマンハッタン方式配線技術のみで同様の機能を持たせたチップとを比較すると、Xアーキテクチャーのほうがトランジスタゲート間接続用の総配線長で14%短く、ビアの数は27%少ないという。今後の開発進展により、配線長は20%以上短く、ビア数は30%以上少なくできるという。
X Initiativeは半導体関連企業20社以上から構成されるコンソーシアムで、東芝、松下電器産業、STMicroelectronics、Cadence Design Systems、ニコン、Leica Microsystemsなどが参加している。
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