News 2003年10月15日 10:19 PM 更新

パフォーマンスでPentium Mと肩を並べたEfficeon(1/2)

Pentium Mでがっちり固められてしまったノートPC向けCPU市場。EfficeonはPentium Mに匹敵するパフォーマンスと「1ワットあたりのコストパフォーマンス」でその牙城を打ち破ろうとしている。

 今回発表されたのはEfficeon第1世代の3製品。TSMCで製造された0.13マイクロプロセスのプロセッサで、L2キャッシュメモリを1Mバイト搭載した「TM8600」、L2キャッシュメモリを512Kバイトにしてコストを抑えた「TM8300」、L2キャッシュは1Mバイトのままでダイサイズを小型にした「TM8620」が2003年の第4四半期までに出荷される。第1世代Efficeonの動作クロックの種類とそれぞれのTDPは以下のようになっている。

動作クロックTDP(ワット)
1.3GHz14
1.2GHz12
1.1GHz7
1.0GHz5

 また、Efficeonの第2世代、第3世代のロードマップも明らかにされた。富士通で製造される90ナノメートルプロセスを採用する第2世代Efficeonは2004年に登場する予定で、第1世代と同じように、L2キャッシュ1Mバイトの「TM8800」、L2キャッシュ512Kバイト低コストの「TM8500」、L2キャッシュ1Mバイト小型パッケージの「TM8820」の3種類が用意される。

 最も早い動作クロックは2.0GHzになる予定で、現在考えられている動作クロックの種類とそれぞれのTDPは以下のとおりだ。

動作クロックTDP(ワット)
2.0GHz25
1.8GHz12
1.6GHz7
1.4GHz5
1.0GHz3

 2005年には90、もしくは65ナノメートルプロセスを採用した第3世代Efficeonが登場する予定。パフォーマンスの向上だけでなく新機能も実装されるが、その詳細については明らかにされていない。


現時点において、TransmetaはEfficeonの出荷価格を明らかにしていない。しかし、同社が作成したEfficeonとCrusoeのポジショニングを説明する資料では、100ドル前後の価格帯にEfficeonがプロットされている



Transmetaが公開しているEfficeonのブロック図とチップ内部のレイアウト。DDR 400までをサポートしたメモリインタフェースやAGP 4Xコントローラといったノースブリッジに相当する機能をCPUに内蔵した構成になっている。ダイサイズは0.13マイクロプロセスで119平方ミリ、90ナノメートルプロセスでは68平方ミリ

 日本法人トランスメタ代表取締役社長の村山隆志氏は、既存のCrusoeとEfficeonのポジショニングについて「Crusoeはローエンドバリューマーケットをターゲットにして、組み込みシステムを中心に薄型PCやハンドヘルドPCまでをカバー。Efficeonはハイエンドパフォーマンスマーケットを対象とし、組み込みシステムからウルトラライトノートPCやメインストリームノートPCといった、これまでCrusoeがカバーしていた領域に加えて、静音タイプの省スペース型デスクトップやブレードサーバ、デジタルコンシューマーと呼ばれる家電まで、広範囲な市場をターゲットにする」と説明している。



製品発表会場にはEfficeonを搭載したエンジニアリングサンプルが登場。富士通はデスクトップリプレースのノートPC筐体にサンプルボードを組み込んだマシンを、また、シャープは1スピンドルのPC-MM1にEfficeonを搭載したサンプルをそれぞれ展示していた

 ビデオで登場したTransmeta最高技術責任者(そして同社の創立者でもある)デビット・ディッツエル氏はEfficeonの特徴をアーキテクチャとベンチマークのデータから説明した。

[長浜和也, ITmedia]

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