News 2003年10月22日 08:57 PM 更新
IDG

米国市場で不振続くCentrinoノート

日本では比較的好調なCentrinoノートだが、米国コンシューマー市場ではその魅力が浸透しておらず、Intelはマーケティング戦略の変更を迫られている。(IDG)

 IntelはCentrinoテクノロジを後押しするため、キャンペーンに数百万ドルを費やしている。だが、そのメッセージは米国の小売り市場には届いておらず、きわめて重要な第4四半期のホリデーシーズンを逃してしまうかもしれない。複数のアナリストが10月21日、そう指摘した。

 Centrinoパッケージは、Pentium Mプロセッサ、855チップセットファミリー、802.11bネットワークと接続するためのIntel Pro/Wireless 2100チップから構成される。3月に発表されたこの技術は、ハードウェア愛好家と企業のノートPCユーザーからはその性能が積極的に評価された。だが、コンシューマーは別の技術に金を出すことを選んだと、NPD Techworldの産業分析担当ディレクター、スティーブン・ベイカー氏は言う。

 NPD Techworldの調査結果によれば、8月に販売された全ノートPCのうち、Centrinoパッケージが使われたものはわずか4.7%に過ぎないという。

 ノートPC市場では伝統的にビジネス市場が大きな割合を占めるとされてきた。だが、米国のコンシューマーの関心はマルチメディアデスクトップの代替にあり、それが今年の成長を牽引している、とARSのアナリスト、マット・サージェント氏は説明する。その結果、ノートPC購入者におけるコンシューマーの比率は、企業購入者と肩を並べるようになった、

 サージェント氏によれば、コンシューマーが飛びついたのは、DVDを見たりゲームをプレイしたりするために、高速CPUと大型液晶というデスクトップに近い性能を備えた大型のノートPCだ。この種の購入層は携帯性やバッテリーの持続時間などは特に気にしない。なぜなら家からノートPCを持ち出したり、壁の電源ソケットからコードを抜いたりすることがほとんどないからだ、と同氏。

 「Centrinoの最大の問題は、その機能が人々が求めていることと一致していないことにある。少なくとも最近2カ月に関しては」(ベイカー氏)。東芝、Hewlett-PackardなどのノートPCベンダーは最近、Centrinoを搭載したワイドスクリーンのコンシューマー向けノートPCを発表した。

 IntelがCentrinoのマーケティングでフォーカスしているのは、ワイヤレス技術だ。しかし、米国のコンシューマーのノートPC購入層からは、必須の機能としては見られていないとサージェント氏は指摘する。彼らは価格と表示速度にこだわり、この分野ではCentrinoは分が悪い。

 Pentium MプロセッサはIntelの従来のモバイル向けプロセッサのアーキテクチャー面での特徴と、Pentium 4プロセッサなどのパフォーマンス面での特徴を組み合わせたものだ。より低いクロックレートで動作させても、Intelの従来のモバイルプロセッサよりパフォーマンスが高くなると、一般に言われている。

 しかし、Intelはこの性能の違いをコンシューマーに訴えかけるのに失敗している、とサージェント氏は言う。「コンシューマーは1.6GHz Pentium Mプロセッサと2.4GHz Mobile Intel Pentium 4-Mプロセッサとを比較して、2.4GHzのほうが高速なチップだと思ってしまう。そして彼らはノートPCの価格を見て、Pentium MノートがMobile Intel Pentium 4-Mノートよりも200〜300ドル高いことに気が付いてしまう」

 Intel広報担当者のバーバラ・グライムズ氏によれば、登場から半年を経た今に至るまで、コンシューマーがCentrinoにあまり関心を持っていないということは、Intelも認めているという。「Intelが最初のマーケティングキャンペーンでフォーカスしていたのは、企業ユーザーと、軽量のワイヤレスノートを最重要と考えるロードウォリアーだった」(同氏)

 世界の他の地域、例えばアジアでは、米国よりも薄型で軽量なノートPCへの関心が高い、とグライムズ氏、サージェント氏ともに指摘する。Centrino搭載のノートPCはアジアとヨーロッパでは米国市場よりも善戦している。

 しかし、先週リリースされたIDC、Gartnerの調査レポートによれば、企業向けの販売は過去数四半期よりはましだが、スローペースのままだ。

 サージェント氏は、Intelがコンシューマーの需要を刺激するためには、Centrinoテクノロジの価格を引き下げるか、Centrinoテクノロジの無線LAN機能だけではなく、性能面での利点にフォーカスする必要があると主張する。

 Intelはすでに先月、CentrinoパッケージとPentium Mプロセッサの価格をハイエンド製品で最大30%引き下げた。その結果、PCベンダーがCentrinoを以前より低価格のノートPCにも採用できるようになった、とグライムズ氏。

 「IntelはノートPC市場全体の中で、特にモビリティ分野にフォーカスしているが、この分野は企業が古いデスクトップPCをモバイル製品で置き換え始めれば成長するだろう」。Intelのモバイルプラットフォーム・グループ担当の副社長兼ゼネラルマネジャー、アナンド・チャンドラシーカ氏は、そう述べている。

 ワイヤレステクノロジーは、将来的にはより多くのコンシューマーの関心を引くことになるだろう、とベイカー氏は言う。しかし、すでに無線LANを受け入れているコンシューマーたちが選択しつつあるのは、Intelがまだ提供していない標準規格だ、と同氏。

 「年末までにはコンシューマーは802.11bよりも802.11gベースのネットワーク機器を支持するようになるだろう」(ベイカー氏)。802.11g標準ベースのデバイスは802.11bネットワークよりも高速にデータをやり取りできるが、Intelはまだ802.11g対応チップをリリースしていない。

 Intelによれば802.11gチップのリリースは第4四半期になるという。だが、今ここに製品が存在しなければ、ホリデーシーズンに売られるノートPCには間に合わない、とNPD Techworldのベイカー氏は指摘する。

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