News | 2003年11月8日 00:52 AM 更新 |
PenTile Matrixでは、このような人間の視覚特性に基づき、ピクセルをさらに画素ごとに分割して個別に処理することで赤と緑のサブピクセルを効果的に使う「サブピクセルレンダリング」という新しいアルゴリズムを開発。これに、赤と緑を格子状に配列した独自カラーフィルターを組み合わせることで、少ないサブピクセルでより多くの論理画素を表現できるのだという。
FPD International2003会場の同社ブースでは、VGA画質(640×480ピクセル)のTVとほぼ同じコストで作ったPenTile Matrixディスプレイで、HD画質(1280×720ピクセル)を表示するデモンストレーションや、PDAの2.8インチディスプレイにPenTile Matrix技術を使うことで従来(160×160ピクセル)の4倍の解像度(320×320ピクセル)を実現する例などが紹介された。
同社とパートナーシップを結ぶ日・韓・台の計11社の中で、韓国のSamsungで具体的な製品化の話が出ており、来年第1四半期(2004年1〜3月)に携帯電話用の2インチQVGA(200dpi)ディスプレイが商品化される予定。これがPenTile Matrix技術を使った製品の第一弾となる。
「Samsungの携帯電話用ディスプレイは、PenTile Matrix技術によってアモルファスシリコンTFT液晶ながらも従来製品より2倍明るいものになっている。高価な低温ポリシリコンTFT液晶を使わなくても、高い輝度を確保できるのが当社技術の強み」(ギャレットソン氏)
少ないサブピクセルで高解像度・高輝度を可能にするPenTile Matrix技術は、用途やメーカーの生産設備環境に応じてさまざまなカラーフィルター配列が用意されている。その中には、従来のRGBストライプ配列の生産ラインをほとんど変えずにPenTile Matrixに移行できるような配列もある。
「より商品競争力のある高解像度ディスプレイを作ってもいいし、低コストなディスプレイ作りに応用してもいい。新規に生産ラインを構築するケースでは、もっとも効果的な配列を使った高性能ディスプレイで他社との差別化を図るといったこともできる。少ないサブピクセルはドライバーICなど関連部品点数も減らせるため、歩留まり改善にもつながる。高精細化の流れと多額の設備投資という問題に直面するFPD業界の福音となる革新的な技術」(ギャレットソン氏)
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[西坂真人, ITmedia]
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