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アイティメディア、「バーチャルイベント」サービスを開始

» 2009年11月25日 17時32分 公開
[ITmedia]

 アイティメディアは11月25日、ネット上で企業イベントや展示会を開催できるバーチャルイベントサービスを始めた。景気低迷の影響を受け、大規模見本市や企業のプライベートショーなどが縮小傾向にある一方、米国では低コストかつ効果を確認しやすいバーチャルイベント市場が拡大している。同社は欧米で実績を持つ米ON24と提携。自社で運営するIT情報サイトを集客に活用するなどし、国内市場を開拓する。

photo バーチャルイベントのイメージ

 バーチャルイベントは、一般のイベントと同様の機能をネット上で提供するサービス。動画で商品・サービスの紹介やセミナー、基調講演を配信したり、資料のダウンロード提供、チャットやメッセージングにより参加者と出展者間で商談を行うといったことが可能。参加者のイベント内のアクセス状況を詳細にレポートできるのも特徴だ。

 参加者は時間にとらわれずに訪問でき、ネット環境があれば全国から参加できる点などがメリット。企業にとってはイベント出展・開催にかかるコストを大幅に削減できるほか、見込み客情報の獲得など、イベントによる効果が見えやすいというメリットがある。

photo バーチャルイベントで提供する機能

 ON24はIBMやOracle、IntelなどのIT企業や金融、製薬大手のバーチャルイベントを手がけ、急成長しているベンチャー。アイティメディアは同社からシステムとノウハウの提供を受け、システムの日本語化や国内市場向けカスタマイズを進めてきた。

 開催テーマに沿って複数のクライアント企業を募る自社イベントのほか、単独クライアントによるプライベートイベント、イベントプラットフォームの提供──という商品パターンを想定。自社イベント、プライベートイベントでは、同社が運営するIT情報サイトで連動企画を実施するなどして集客も行う。「メディアとイベントがIP上にシームレスに展開できる」(大槻利樹社長)という強みを生かす。

 同社は出展料などで収益を得る仕組み。料金は、自社メディアによる集客なしのプラットフォーム提供の場合で250万円程度だとしている。

 まず、クラウドコンピューティングなどをテーマにしたイベントを同社主催で来年3月までに2回開催する予定。2010年度は企業向けIT関連を中心に10回程度の自社イベント開催を計画している。

 大槻社長は「フィジカルイベント(リアルなイベント)に逆風が吹いている中、バーチャルイベントに注目が集まっていくだろう。6000億円というトレードショウ市場の1割、600億円くらいの市場性はあるのでは」と話している。

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